2014/12/21

等比数列の和の公式の証明といろいろな例

分野: 数列  レベル: 基本公式

初項が $a$,公比 $r$,項数 $n$ の等比数列の和は($r\neq 1$ のもとで),
$a+ar+ar^2+\cdots +ar^{n-1}=\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}$

教科書にも載っている基本的な公式ですが,いろいろなところに登場します。

とりあえず証明してからひたすら具体例を紹介します。

等比数列の和の公式の証明

もとの式と公比倍した式の差を取ると覚えましょう。

証明

求めるものを $S_n$ とおく:
$S_n=a+ar+ar^2+\cdots +ar^{n-2}+ar^{n-1}$
両辺を $r$ 倍する:
$rS_n=ar+ar^2+ar^3+\cdots +ar^{n-1}+ar^n$

両辺の(上の式)ー(下の式)を計算する(右辺の途中の項は打ち消し合う!):
$S_n-rS_n=a-ar^n$
これを $S_n$ について解く:
$S_n=\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}$

ちなみに(無粋ですが)数学的帰納法で証明することもできます。

簡単な例題

いろいろな等比数列の和を求めてみます。まずは教科書レベルの例題を集めました。

・とりあえず公式を使ってみる。初項 $1$,公比 $2$,項数 $5$
$1+2+2^2+2^3+2^4=\dfrac{1-2^5}{1-2}=31$


・公比が負の数でも分数でもOK。初項 $2$,公比$-\frac{1}{3}$,項数 $10$
$2+2(-\dfrac{1}{3})+2(-\dfrac{1}{3})^2+\cdots +2(-\dfrac{1}{3})^9\\=\dfrac{2(1-(-\frac{1}{3})^{10})}{1-(-\frac{1}{3})}\\
=\dfrac{3}{2}(1-(-\dfrac{1}{3})^{10})$


・文字式でもOK。初項 $a$,公比 $a^2$,項数 $n$
$a+a^3+a^5+\cdots +a^{2n-1}=\dfrac{a(1-a^{2n})}{1-a^2}$
($a^2\neq 1$ のもとで)


・シグマの形で登場することもある。初項 $2x$,公比 $x$,項数 $n$
$\displaystyle\sum_{k=1}^n2x^k=\dfrac{2x(1-x^n)}{1-x}$
($x\neq 1$ のもとで)

応用例

次は等比数列の和の公式の考え方を使った応用例です。

・等差数列×等比数列の和は求まる。
$\displaystyle\sum_{k=1}^nk^pr^k$ というタイプの和です。 $p=0$ が等比数列の和,$p=1$ が等差×等比の和,$p=2$ までは出題されることがあります。→等比×等差の和を求める2通りの方法


・一種類のみの整数からなる整数は指数を使って表せる。
$7777777=7+7\times 10+7\times 10^2+\cdots +7\times 10^6$
は初項 $7$,公比 $10$,項数 $7$ の等比数列の和とみなせるので,
$7777777=\dfrac{7(1-10^7)}{1-10}=\dfrac{7}{9}(10^7-1)$

※等比数列の和の公式を使わなくても $7777777$ を $\dfrac{9}{7}$ 倍すれば $9$ が並ぶから $10^n-1$ という形で書けるということは分かります。
※繰り返すタイプの数字には同様な議論が使います。例えば $3939393939$ は初項 $39$,公比 $100$,項数 $5$ の等比数列の和。


・ $a^n-b^n$ の形は因数分解できる。
等比数列の和の公式の分母を払うと$(a+ar+\cdots +ar^{n-1})(1-r)=a(1-r^n)$ となります。この両辺を $a$ で割ると $1-r^n$ を因数分解する式とみなせます。→因数分解公式(n乗の差、和)


・位相が等差数列であるような三角関数の和が求まる。
$\cos\dfrac{\pi}{7}+\cos\dfrac{3\pi}{7}+\cos\dfrac{5\pi}{7}$ などです。
複素指数関数を用います。→三角関数の和と等比数列の公式

大学になってからもしばしば使う重要な公式です。

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