2016/10/30

分数で表された数列の和の問題と一般化

分野: 数列  レベル: 入試対策

分数で表された数列の和を計算する頻出問題を解説します。さらに,その問題を一般化してみます。

分母の因数が2つの問題

この記事では部分分数分解を使います。→部分分数分解の3通りの方法

例題1

$\displaystyle\sum_{k=1}^{10}\dfrac{1}{k(k+1)}\\
=\dfrac{1}{1\cdot 2}+\dfrac{1}{2\cdot 3}+\cdots +\dfrac{1}{10\cdot 11}$
を計算せよ。

解答

$\dfrac{1}{k(k+1)}=\dfrac{1}{k}-\dfrac{1}{k+1}$
と部分分数分解できるので,求める値は
$\left(\dfrac{1}{1}-\dfrac{1}{2}\right)+\left(\dfrac{1}{2}-\dfrac{1}{3}\right)+\left(\dfrac{1}{3}-\dfrac{1}{4}\right)+\\
\cdots +\left(\dfrac{1}{9}-\dfrac{1}{10}\right)+\left(\dfrac{1}{10}-\dfrac{1}{11}\right)$
となる。かっこの付け方を変えると,
$\dfrac{1}{1}+\left(-\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2}\right)+\left(-\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{3}\right)+\\
\cdots +\left(-\dfrac{1}{10}+\dfrac{1}{10}\right)-\dfrac{1}{11}$
となり,途中の項が全部消える。

結局,先頭と末尾だけが残るので,与式の値は $\dfrac{1}{1}-\dfrac{1}{11}=\dfrac{10}{11}$ となる。

分母の因数が3つの問題

例題2

$\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\dfrac{1}{k(k+1)(k+2)}$
を計算せよ。

解答

$\displaystyle\sum_{k=1}^n\dfrac{1}{k(k+1)(k+2)}\\
=\dfrac{1}{2}\displaystyle\sum_{k=1}^n\left\{\dfrac{1}{k(k+1)}-\dfrac{1}{(k+1)(k+2)}\right\}$
と分解できる。例題1と同じように途中の式は打ち消し合う。残るのは,
$\dfrac{1}{2}\left\{\dfrac{1}{2}-\dfrac{1}{(n+1)(n+2)}\right\}$

補足:完全に部分分数分解すると,$\dfrac{1}{2k}-\dfrac{1}{k+1}+\dfrac{1}{2(k+2)}$ となりますが,どうではなくて中途半端に分解して差の形を作るのがポイントです。

分母の因数が $m+1$ 個の問題

一般化してみましょう。

例題3

$\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\dfrac{1}{k(k+1)(k+2)\cdots (k+m)}$
を計算せよ。

$\displaystyle\sum_{k=1}^n\dfrac{1}{k(k+1)(k+2)\cdots (k+m)}\\
=\dfrac{1}{m}\displaystyle\sum_{k=1}^n\left\{\dfrac{1}{k \cdots (k+m-1)}-\dfrac{1}{(k+1)\cdots (k+m)}\right\}\\
=\dfrac{1}{m}\left\{\dfrac{1}{m!}-\dfrac{n!}{(n+m)!}\right\}$

例題3の答えに $m=2$ を代入すると例題2の答えになっていることが確認できます。

例題3の答え,$\dfrac{n!}{(n+m)!}$ と書くか $\dfrac{1}{(n+1)\cdots (n+m)}$ と書くか迷いました。

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