2015/09/13

錐体の体積公式に1/3がつくことの2通りの説明

分野: 空間図形  レベル: 入試対策

三角錐,四角錐,円錐などの錐体の体積は
$\dfrac{1}{3}$ ×底面積×高さ


底面積が $S$,高さが $h$ である錐体の体積 $V$ を求める公式:$V=\dfrac{1}{3}Sh$ の導出について。

特殊な四角錐の場合

底面が一辺 $2h$ の正方形であるような特殊な正四角錐の場合は,立方体を六個に切ることで簡単に $V=\dfrac{1}{3}Sh$ が証明できます。

四角錐の体積

証明

底面積は $S=4h^2$
高さは $h$

また,一辺 $2h$ の立方体から同じ形の立体が六個取り出せるので,体積は
$(2h)^3\div 6=\dfrac{4}{3}h^3$

以上より,$V=\dfrac{1}{3}Sh$ が分かる。

一般の錐体の場合

次に,底面積が $S$,高さが $h$ の一般の錐体 $A$ の体積 $V$ について考えます。

底面が一辺 $2h$ の正方形であるような特殊な四角錐 $B$ の体積は $\dfrac{1}{3}S_Bh$ でした($S_B=4h^2$ は $B$ の底面積)。

この二つの立体を底面からの距離が $t$ の平面で切ると,その断面積の比は常に $S:S_B$ です。よって,体積の比も $S:S_B$ になります。

つまり,求めたい $A$ の体積は $V=\dfrac{1}{3}S_Bh\times\dfrac{S}{S_B}=\dfrac{1}{3}Sh$ となります。

積分を用いた証明

二つ目の説明です。数学2の知識が必要になります。積分を使って $V=\dfrac{1}{3}Sh$ を証明します。底面積の形によらない(円錐でも三角錐でも四角錐でも適用可能)証明方法です。

証明

底面からの距離が $t$ であるような平面で錐体を切ったときの断面積を $S(t)$ とする。

錐体の体積と積分

$\Delta t$ が十分小さいとき,底面からの距離が $t$ から $t+\Delta t$ の間にある部分の体積は $S(t)\Delta t$ とみなせるので,
$V=\displaystyle\int_0^hS(t)dt$

また,相似な図形の面積比は相似比の二乗に比例するので,
$(h-t)^2:h^2=S(t):S$
よって,$S(t)=\dfrac{(h-t)^2}{h^2}S$

以上より,
$V=\displaystyle\int_0^h\dfrac{(h-t)^2}{h^2}Sdt\\
=\dfrac{S}{h^2}\left[-\dfrac{(h-t)^3}{3}\right]_0^h\\
=\dfrac{S}{h^2}\dfrac{h^3}{3}\\
=\dfrac{1}{3}Sh$

最後の証明,底面からの距離でなく頂点からの距離を $t$ にすればよかったと後悔しています。
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