2014/06/02

垂心の存在の3通りの証明

分野: 平面図形  レベル: 基本公式

垂心

三角形 $ABC$ において各頂点から向かいの辺に下ろした3本の垂線は一点で交わる。その点を垂心と呼ぶ。


以下では垂心が存在することの3通りの証明を解説します。

1:外心の存在を用いた証明

証明1では外心の存在(3本の垂直二等分線は1点で交わる)は前提とします。

方針:三角形 $ABC$ の外側に大きな三角形 $DEF$ を作ると,三角形 $DEF$ の外心が $ABC$ の垂心と一致します。

垂心の証明

証明

三角形の各頂点を通り対辺と平行な直線を3つ引き,それらの交点を $D,E,F$ とおく。
二辺とその間の角が等しいことから4つの小三角形が合同であることが分かる。
よって,
「 $ABC$ から対辺に下ろした垂線は $DEF$ の各辺の垂直二等分線と一致する」
ことが分かる。また,外心の存在より
「三角形 $DEF$ において,3辺の垂直二等分線が交わる」
ことも分かる。以上2つの事実により垂心の存在が証明された。

2:チェバの定理の逆を用いた証明

証明2ではチェバの定理の逆は前提とします。

方針:3つの直線が1点で交わることの証明の多くは推移律($A=B,B=C$ ならば $A=C$)かチェバの定理の逆を使うことで解決します。

垂心の証明

証明

垂線の足を $P,Q,R$ とおくと,
$\dfrac{BP}{PC}=\dfrac{c\cos B}{b\cos C}$
$\dfrac{CQ}{QA}=\dfrac{a\cos C}{c\cos A}$
$\dfrac{AR}{RB}=\dfrac{b\cos A}{a\cos B}$
より,$\dfrac{AR\cdot BP\cdot CQ}{RB\cdot PC\cdot QA}=1$
よって,チェバの定理の逆より垂心が存在することが分かる。

注:チェバの定理の逆については,チェバの定理の3通りの証明を参考にしてください。

3:座標を用いた証明

方針:垂線の1つと $y$ 軸が一致するように座標を設定してやると計算が楽になります。

垂心の証明

証明

角 $A$ が最大角としても一般性を失わない。
$A(0,a),B(b,0),C(c,0)$ と座標を設定する
$AC$ の傾きは$-\dfrac{a}{c}$ より,直線 $BQ$ の方程式は,$y=\dfrac{c}{a}(x-b)$
これと,$y$ 軸との交点の $y$ 座標は,$-\dfrac{bc}{a}$

同様にして(または対称性より),$CR$ も$(0,-\dfrac{bc}{a})$ を通るので垂心の存在が証明された。

注:$A$ が最大角という条件を指定することで $a,b,c\neq 0$ となり傾きが定義できます。

垂直が多い構図では座標で計算するのがうまくいく場合が多いです。

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