2015/09/05

水平線,地平線までの距離の計算方法と例

分野: 物理  レベル: 入試対策

水平線までの距離はだいたい4km〜5km

水平線(地平線も同じ)までの距離を計算する方法を解説します。前半はガッツリ数学・物理ですが後半は小学生でも楽しめる内容です。

水平線までの距離の計算式

水平線までの距離

地球の半径を $R$,観測者の身長を $h$ とします。このとき,水平線までの距離 $l$(赤い円弧の長さ)を求める問題を考えます。

水平線までの距離公式:
$l\simeq\sqrt{2Rh}$

(導出)
中心角を $\theta$ とおく。

$l=R\theta$
$\cos\theta=\dfrac{R}{R+h}$

〜厳密解〜
以上二つの式より,$l=R\:\mathrm{Arccos}\dfrac{R}{R+h}$(注1)

〜近似解〜
$R\gg h$ であり,$\theta\simeq 0$ なので $\cos\theta\simeq 1-\dfrac{\theta^2}{2}$ と近似できる(注2)。
つまり,先ほどの式は $1-\dfrac{\theta^2}{2}\simeq \dfrac{R}{R+h}$,つまり $\theta\simeq \sqrt{\dfrac{2h}{R+h}}$ となる。さらに,$R+h\simeq R$ と近似すると,
$l=R\theta\simeq R\sqrt{\dfrac{2h}{R}}=\sqrt{2Rh}$

注1:$\mathrm{Arccos}$ は $\cos$ の逆関数です。→逆三角関数の重要な性質まとめ

注2:コサインの二次近似です。→三角関数の不定形極限

実際に計算してみる

地球の半径は $R=6.37\times 10^3 $kmです。
身長は $h=1.70\times 10^{-3}$ km (170cm)としてみます。

厳密解の式でも近似解の式でも(有効数字3桁で) $l=4.65 $kmとなります!近似解でも十分精度がよいです。

地平線までの距離が4~5kmくらいというのは直感にも合致しますね。

いろいろな距離を計算してみる

水平線までの距離公式を使っていろいろな距離を計算してみました。

  • 子供(身長1m)から見た水平線までの距離: $3.57 $km
  • 高身長の人(身長2m)から見た水平線までの距離: $5.05 $km
  • スカイツリーの展望台(高さ450m)から見た地平線までの距離: $75.7 $km
  • 富士山(高さ3.78km)から見た地平線までの距離: $219 $km
    富士山とスカイツリーの距離は $100 $kmくらいなので片方からもう片方が(目が十分良い人なら)観測できます。
  • 飛行機(高さ10km)から見た地平線までの距離: $357 $km
    羽田空港上空10000mからは名古屋くらいまで見えるということです。
北海道の大自然を見ていたときに思いついた記事です。

Tag: 難しめの数学雑学・ネタまとめ

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