最終更新:2017/01/01

x^3/e^x-1の定積分

分野: 積分  レベル: 大学数学

$\displaystyle\int_0^{\infty}\dfrac{x^3}{e^x-1}dx=\dfrac{\pi^4}{15}$

Planck の法則から Stefan–Boltzmann 定数を計算するときに登場する広義積分です[1]。

積分公式の証明

高校数学の知識だけでも雰囲気は理解できると思います。

証明

無限等比級数の公式より,
$\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}e^{-nx}\\
=e^{-x}+e^{-2x}+e^{-3x}+\cdots\\
=\dfrac{e^{-x}}{1-e^{-x}}\\
=\dfrac{1}{e^x-1}$

よって,
$I=\displaystyle\int_{0}^{\infty}\dfrac{x^3}{e^x-1}dx\\
=\displaystyle\int_0^{\infty}\sum_{n=1}^{\infty}x^3e^{-nx}dx\\
=\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\int_0^{\infty}x^3e^{-nx}dx$
(→補足1:極限と積分の交換)

ここで,瞬間部分積分を用いて中身の積分を計算すると,
$\displaystyle\int_0^{\infty}x^3e^{-nx}dx\\
=\left[\left(-\dfrac{x^3}{n}-\dfrac{3x^2}{n^2}-\dfrac{6x}{n^3}-\dfrac{6}{n^4}\right)e^{-nx}\right]_0^{\infty}\\
=\dfrac{6}{n^4}$

よって,
$I=\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{6}{n^4}\\
=6\zeta(4)\\
=\dfrac{\pi^4}{15}$
(→補足2:ゼータ関数)

証明の補足

補足1

$f_k(x)=\displaystyle\sum_{n=1}^kx^3e^{-nx}dx$

とおくと,$\displaystyle\lim_{k\to\infty}f_k(x)$ は $x\geq 0$ で
$f(x)=\dfrac{x^3}{e^x-1}$
(ただし $f(0)=0$)に一様収束することが分かるので,極限と積分の順番が交換できます:
$\displaystyle\int_0^{\infty}f(x)dx=\lim_{k\to\infty}\displaystyle\int_0^{\infty}f_k(x)dx$

補足2

$s > 1$ に対して $\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{1}{n^s}$ のことをゼータ関数と言い,$\zeta(s)$ と書きます。
→ゼータ関数の定義と基本的な話

$\zeta(2)=\dfrac{\pi^2}{6}$ は有名です。→バーゼル問題の初等的な証明

また,$\zeta(4)=\dfrac{\pi^4}{90}$ であることが知られています。

一般化

上記の方法を一般化すると,
$\displaystyle\int_0^{\infty}\dfrac{x^m}{e^x-1}dx=m!\left(\dfrac{1}{1^{m+1}}+\dfrac{1}{2^{m+1}}+\cdots \right)$
となることが分かります[2]。

右辺を $\Gamma$ 関数と $\zeta$ 関数を用いて書くと,
$\Gamma(m+1)\zeta(m+1)$ となります。

参考文献
[1] Stefan–Boltzmann law
[2] Riemann Zeta Function

$\zeta(4)$ が高校数学範囲内で計算できるのかも気になります。
分野: 積分  レベル: 大学数学