2014/07/21

二重根号の外し方のパターンと外せないものの判定

分野: 式の計算  レベル: 基本公式

恒等式
$\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$
$\sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}=\sqrt{b}-\sqrt{a}$

を用いて二重根号を外すことができる。

二重根号にまつわる話題を整理しておきます。

二重根号の外し方(基本パターン)

$\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$ なので,
(これは両辺を二乗すれば簡単に確かめられる)
$\sqrt{A+2\sqrt{B}}$ という二重根号の式が与えられたとき,「足して $A$ かけて $B$ 」となる $2$ つの自然数 $a,b$ を見つけることができれば二重根号を外すことが出来ます。

例1

$\sqrt{5+2\sqrt{6}}$
たして $5$,かけて $6$ になる2つの自然数を直感で求めると $2,3$ なので,$\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{2}+\sqrt{3}$

同様に $\sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}=\sqrt{b}-\sqrt{a}$ なので,
(これは両辺を二乗すれば簡単に確かめられる)
$\sqrt{A-2\sqrt{B}}$ という二重根号の式が与えられたとき,「足して $A$ かけて $B$ 」となる $2$ つの自然数 $a,b\: (b > a)$ を見つけてこれれば二重根号を外すことが出来ます。

例2

$\sqrt{4-2\sqrt{3}}$
たして $4$,かけて $3$ になる2つの自然数を直感で求めると $1,3$ なので,$\sqrt{4-2\sqrt{3}}=\sqrt{3}-1$

2を強引に作りだすパターン

例3

$\sqrt{4+\sqrt{15}}$
このままでは上記の公式が使えないので $\sqrt{15}$ の前に強引に $2$ を作り出す:
$\sqrt{4+\sqrt{15}}=\sqrt{\dfrac{8+2\sqrt{15}}{2}}$
これで分子に先ほどの公式が使える:
$\dfrac{\sqrt{3}+\sqrt{5}}{\sqrt{2}}$
最後に分母を有理化:
$\dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{10}}{2}$

分母の有理化については,分母の有理化や実数化を行う理由もどうぞ。

例4

$\sqrt{11-6\sqrt{2}}$
今度はルートの中に邪魔な $3$ を入れることで強引に $2$ を作り出す:
$\sqrt{11-6\sqrt{2}}=\sqrt{11-2\sqrt{18}}$
足して $11$ かけて $18$ となるのは $2$ と $9$:
$\sqrt{11-6\sqrt{2}}=3-\sqrt{2}$

数字がとにかく大きいパターン

数字が大きくなった場合は直感で分解するのは難しいです。そこで工夫して,解と係数の関係を用いることで二重根号を外すことができます。

例5

$\sqrt{44+2\sqrt{420}}$
たして $44$,かけて $420$ になる $2$ つの数 $a,b$ を直感で求めるのは難しいが,解と係数の関係より,$a,b$ は二次方程式
$x^2-44x+420=0$
の解。
この二次方程式を解の公式で解くと,
$x=22\pm\sqrt{22^2-420}=14, 30$
よって $\sqrt{44+2\sqrt{420}}=\sqrt{30}+\sqrt{14}$

この方法を使うことでどんなに大きい数が出てきても二次方程式の解を計算すれば二重根号を(外せる場合は)外すことができます。

二重根号が外せない場合とその判定

$A,B$ が適当に与えられたとき,「たして $A$,かけて $B$ 」となるような自然数 $a,b$ がいつも存在するとは限りません。
(二重根号を外す問題ではたいてい都合の良い $A,B$ が与えられています)

うまく $a,b$ が取れない場合は残念ながら二重根号を外すことはできません。

実は例5の解法を一般化することで二重根号が外せるかどうか簡単に判定することができます!

$\sqrt{A\pm 2\sqrt{B}}$ は $A^2-4B$ が平方数のとき二重根号を外すことができる。そうでないときは二重根号は外せない。

解説:たして $A$,かけて $B$ となる自然数 $a,b$ が存在する条件は,
$x^2-Ax+B=0$ の解が $2$ つとも自然数であること。
よって判別式 $A^2-4B$ が平方数であることが必要。
逆に判別式が平方数なら解が両方自然数であることも簡単に分かる。

例1(再掲)

$\sqrt{5+2\sqrt{6}}$
これは $A^2-4B=5^2-24=1$ となり平方数。つまり二重根号が外せるパターン。

$\sqrt{7+2\sqrt{5}}$
これは $A^2-4B=49-20=29$ となり平方数でない。
つまりどんなに頑張っても二重根号は外せない。

適当に $A,B$ を選ぶと残念ながら高確率で二重根号を外すことができません。

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