2015/08/21

球欠,球台の体積と球冠,球帯の表面積

分野: 積分  レベル: マニアック

球を平面で切り取った立体の体積,および側面の面積の求め方を解説します。結果を覚える必要はありませんが,導出方法はマスターしておきましょう。

球を切って得られる立体の名前

球欠,球台

球欠(spherical segment):球を一つの平面で切った立体
球冠(球帽,spherical cap):球欠の側面部分

球台(spherical segment):球を二つの平行な平面で切った立体
球帯(spherical zone):球台の側面部分

球欠と球台は立体,球冠と球帯は曲面です。球欠は球の一部が欠けたもので,球帽は帽子っぽい,球台は台っぽい,球帯は帯っぽいですね(名前を覚える必要はありません)。

球欠,球台の体積

底面の半径が $r_1$,天面の半径が $r_2$,高さが $h$ である球台の体積は,
$V=\dfrac{1}{6}\pi h(3r_1^2+3r_2^2+h^2)$

証明

もとの球の半径を $r$ とおくと図より,
$V=\displaystyle\int_t^{t+h}\pi x^2dy\\
=\displaystyle\int_t^{t+h}\pi (r^2-y^2)dy\\
=\pi \left\{hr^2-\dfrac{(t+h)^3}{3}+\dfrac{t^3}{3}\right\}\\
=\dfrac{\pi}{3}(3hr^2-h^3-3h^2t-3ht^2)$

球台の体積

あとは $t,r$ を消去して $r_1,r_2$ で表せばよい。
まず,$r^2=t^2+r_1^2$(*)を用いて $r$ を消す:
$V=\dfrac{\pi}{3}(3hr_1^2-h^3-3h^2t)$

さらに,(*)と $r^2=(t+h)^2+r_2^2$ から $t=\dfrac{r_1^2-r_2^2-h^2}{2h}$ となり,これを代入すると,
$V=\dfrac{\pi}{3}\left\{3hr_1^2-h^3-\dfrac{3}{2}h(r_1^2-r_2^2-h^2)\right\}\\
=\dfrac{1}{6}\pi h(3r_1^2+3r_2^2+h^2)$
を得る。

なお,$r_1=0$ または $r_2=0$ とすることで球欠の体積公式:$V=\dfrac{1}{6}\pi h(3r^2+h^2)$ が得られます。

球冠,球帯の表面積

高校数学の範囲外ですが,計算は体積より簡単です。非常に美しい結果です。

球冠,球帯の表面積はその高さに比例する。

注:球帯の高さとは底面と天面の距離です。

球の体積と表面積を積分で証明の表面積の証明1とほぼ同じことをやるだけです。

球帯の表面積

証明

もとの球の半径を $r$ とする。
$\Delta\theta$ を十分 $0$ に近い正の数として,緯度が $\theta$ から $\theta+\Delta \theta$ の部分(帯のような図形)の表面積を考える。

周の長さは $2\pi r\cos\theta$,帯の幅は $r\Delta\theta$ なので帯の表面積は,
$2\pi r^2\cos\theta\Delta\theta$

よって,球帯の表面積は $S=2\pi r^2\int_{\theta_1}^{\theta_2}\cos\theta d\theta$
(ただし,$\theta_1$ は球帯の底面の緯度,$\theta_2$ は球帯の天面の緯度)
ここで,$r\sin\theta=h$ と置換すると,$\dfrac{dh}{d\theta}=r\cos\theta$ より, $S=2\pi r\int_{h_1}^{h_2}dh=2\pi rh$
(ただし,$h_1$ は球帯の底面の「高さ」,$h_2$ は球帯の天面の「高さ」,$h=h_1-h_2$ は球帯の幅)

なお,球帯で $h_2=r$ とすれば球冠になります。

図を描くのが大変でした。
分野: 積分  レベル: マニアック