2015/02/26

双曲線の漸近線の簡単な求め方と証明

分野: 二次曲線  レベル: 入試対策

双曲線の漸近線:
パターン1.双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$ の漸近線は $y=\pm\dfrac{b}{a}x$
また,
パターン2.双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1$ の漸近線も $y=\pm\dfrac{b}{a}x$

ただし,この記事を通して $a,b > 0$ とします。
双曲線の漸近線について,具体例,簡単な導出方法,きちんとした証明を解説します。

例題

漸近線とは,関数が原点から遠い部分で限りなく近づく直線のことです。

まずは具体例から。

双曲線の漸近線

例1

$\dfrac{x^2}{4}-\dfrac{y^2}{9}=1$ という双曲線の漸近線は,($a=2,b=3$ として公式を使うと)$y=\pm\dfrac{3}{2}x$ である。つまり,原点から十分遠いところでは双曲線は二直線 $y=\pm\dfrac{3}{2}x$ に限りなく近づく。

例2

$3x^2-y^2=1$ という双曲線の漸近線は($a=\dfrac{1}{\sqrt{3}},b=1$ として公式を使うと)二直線 $y=\pm\sqrt{3}x$ である。


右辺が $1$ でなく$-1$ のタイプの双曲線の漸近線も同様に求めることができます。

例3

$x^2-\dfrac{y^2}{4}=-1$ という双曲線の漸近線は $y=\pm 2x$ である。

漸近線の導出

漸近線を考えるときには原点から遠い部分の関数の形を考えています。

そこで,大雑把な考え方ですが, $x$ と $y$ は $1$ より十分大きい部分での議論として,右辺の $1$ という定数項を無視してしまいます。

すると,右辺が $1$ の場合も$-1$ 双曲線の方程式は $\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=0$ と近似できます。

これを変形すると $y^2=\dfrac{b^2}{a^2}x^2$,つまり $y=\pm\dfrac{b}{a}x$ となります。

記述式の答案には使えませんが,漸近線の公式を忘れても素早く導出できるのでこの考え方は覚えておきましょう!

漸近するとは

双曲線の漸近線の公式を証明する前に「漸近」という意味をきちんと数式で表しておきます。

$x\to\infty$ での漸近線:
$\displaystyle\lim_{x\to\infty}|f(x)-g(x)|=0$ が成立するとき,$f(x)$ は $g(x)$ に漸近すると言う。特に、 $g(x)$ が一次関数のとき,$g(x)$ を $f(x)$ の漸近線と言う。

注:厳密には $y$ 軸に平行な漸近線や $x\to -\infty$ での漸近線,双曲線など「多価関数」の漸近線なども別々に定義するべきですが,場合分けが煩雑なので省略します。そこらへんは空気読んで下さい!

証明

双曲線の漸近線公式を証明します。

証明

$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$ という双曲線の上側は,
$y=b\sqrt{\dfrac{x^2}{a^2}-1}$

これが $x\to\infty$ で $y=\dfrac{b}{a}x$ に近づくことを証明する。つまり,
$\displaystyle\lim_{x\to\infty}\left|b\sqrt{\dfrac{x^2}{a^2}-1}-\dfrac{b}{a}x\right|=0$ を言えばよい。

これは分子を有理化することで簡単に証明できる:
(上式)
$=\displaystyle\lim_{x\to\infty}\left|b\dfrac{(\frac{x^2}{a^2}-1)-(\frac{x}{a})^2}{\sqrt{\frac{x^2}{a^2}-1}+\frac{x}{a}}\right|\\
=\displaystyle\lim_{x\to\infty}\left|\dfrac{-b}{\sqrt{\frac{x^2}{a^2}-1}+\frac{x}{a}}\right|\\
=0$

対称性より $y=-\dfrac{b}{a}x$ も漸近線。また,パターン2の証明も同様。

「漸」を「ざん」と読む間違いが多いので要注意です。「ぜんきんせん」です。

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