2015/10/13

三角関数の相互関係とその証明

分野: 三角比・三角関数  レベル: 基本公式

三角関数の相互関係:

  1. $\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$
  2. $\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}$
  3. $1+\tan^2\theta=\dfrac{1}{\cos^2\theta}$
  4. $1+\dfrac{1}{\tan^2\theta}=\dfrac{1}{\sin^2\theta}$

1~3は教科書に載っている非常に基本的な公式です。4はあまり有名ではありませんが,3と合わせて覚えておくとよいでしょう。

三角関数の相互関係の証明(直角三角形から)

直角三角形を用いた三角関数の定義から相互関係を導出します。
→三角関数の3通りの定義とメリットデメリットの定義1)

1,2の証明

三角関数の定義

$\sin\theta=\dfrac{BC}{AC}$,$\cos\theta=\dfrac{AB}{AC}$
より,
$\sin^2\theta+\cos^2\theta=\dfrac{AB^2+BC^2}{AC^2}$
ここで,三平方の定理より $AB^2+BC^2=AC^2$ より上式の右辺は $1$ となる。

また,$\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}=\dfrac{BC}{AC}\cdot\dfrac{AC}{AB}=\dfrac{BC}{AB}$
となり,$\tan\theta$ の定義と一致する。

3,4は1,2から証明できます。

3,4の証明

1,2より,
$1+\tan^2\theta=1+\dfrac{\sin^2\theta}{\cos^2\theta}\\
=\dfrac{\cos^2\theta+\sin^2\theta}{\cos^2\theta}\\
=\dfrac{1}{\cos^2\theta}$

$1+\dfrac{1}{\tan^2\theta}=1+\dfrac{\cos^2\theta}{\sin^2\theta}\\
=\dfrac{\sin^2\theta+\cos^2\theta}{\sin^2\theta}\\
=\dfrac{1}{\sin^2\theta}$

三角関数の相互関係の証明(単位円から)

単位円を用いた三角関数の定義から相互関係を導出します。
→三角関数の3通りの定義とメリットデメリットの定義2)

1,2の証明

sct2

$(\cos\theta,\sin\theta)$ は単位円上にあるので $\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$

また,$\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}$ は $\tan\theta$ の定義そのものである。

なお,3,4の証明は先ほどの証明がそのまま使えます。

おまけ:マクローリン展開から1を導出

マクローリン展開を用いた三角関数の定義から相互関係1を導出します。
→三角関数の3通りの定義とメリットデメリットの定義3)

証明の概略

$\left(x-\dfrac{x^3}{3!}+\dfrac{x^5}{5!}-\dfrac{x^7}{7!}+\cdots\right)^2$ $\,+\left(1-\dfrac{x^2}{2!}+\dfrac{x^4}{4!}-\dfrac{x^6}{6!}+\cdots\right)^2=1$
を証明したい。

左辺の奇数次の項は $0$ であり,定数項は $1$ である。
また,$(1-1)^{2n}=0$ から導かれる公式:$\displaystyle\sum_{k=0}^{2n}(-1)^{k}{}_n\mathrm{C}_k=0$ を使うと左辺の $2$ 次以上の偶数次の項も $0$ であることが確認できる。

3と4はペアなので,片方だけ教科書に載せるのではなくて,両方載せる,または両方載せないでほしいです。

Tag:数学2の教科書に載っている公式の解説一覧

分野: 三角比・三角関数  レベル: 基本公式