2015/09/22

接弦定理とその逆の証明など

分野: 平面図形  レベル: 基本公式

接弦定理:
円の接線と弦のなす角はその弦に対する円周角と等しい。

接弦定理の証明,および接弦定理の逆とその証明について解説します。

接弦定理の証明

接弦定理の証明は場合分けが必要なのでやや長いですが,難しくありません。

接点を $A$,弦を $AB$,円周角を $\angle ACB$ とします。また,接線上に点 $C$ と直線 $AB$ に関して反対側に点 $D$ を適当に取ります。目標は $\angle ACB=\angle BAD$ を証明することです。

接弦定理の証明

証明

~ $\angle BAD$ が鋭角の場合~
$AE$ が直径となるように点 $E$ を取る。
$AD$ は接線より $\angle EAB=90^{\circ}-\angle BAD$
また,$AE$ は直径なので $\angle EAB=90^{\circ}-\angle AEB$
以上より $\angle AEB=\angle BAD$
これと円周角の定理:$\angle ACB=\angle AEB$ より接弦定理が証明された。

~ $\angle BAD$ が直角の場合~
$BA$ は円の直径なので $\angle ACB=90^{\circ}$
よって $\angle ACB=\angle BAD$

~ $\angle BAD$ が鈍角の場合~
接線上に $A$ に関して $D$ と反対側に点 $E$ を取る。
鋭角の場合の接弦定理(もう証明した)より $\angle EAC=\angle ABC$
よって,
$\angle ACB\\
=180^{\circ}-\angle ABC-\angle BAC\\
=180^{\circ}-\angle EAC-\angle BAC\\
=\angle BAD$

円周角の定理の極限

次に,接弦定理が成り立つことの感覚的な説明を紹介します。

接弦定理の解釈

点 $C$ を円周上で限りなく $A$ に近づけていくと,

  • 円周角の定理より $\angle ACB$ は一定
  • 直線 $CA$ は円の接線に近づく

ことから接弦定理が成り立つことが納得できます。

接弦定理の逆

接弦定理の逆は入試ではあまり見かけませんが,数学オリンピックの図形の証明問題では頻出です。

接弦定理の逆

接弦定理の逆:
$C$ と $D$ が直線 $AB$ に関して反対側にあり,$\angle ACB=\angle DAB$ なら直線 $AD$ は三角形 $ABC$ の外接円と接する。

接弦定理からほぼ明らかですが,一応証明しておきます。

証明

三角形 $ABC$ の外接円の点 $A$ における接線上に,$AB$ に関して $C$ と反対側に点 $E$ を適当に取る。
接弦定理より $\angle ACB=\angle EAB$ である。
これと定理の仮定から $\angle DAB=\angle EAB$

$D,E$ は $AB$ に関して同じ側にあるので $A,D,E$ は一直線上にある。つまり直線 $AD$ は円の接線である。

「接弦定理」というネーミングはなかなか良いと思います。

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