2015/11/16

整数部分と小数部分の意味と例題

分野: 式の計算  レベル: 基本公式

整数部分と小数部分の定義と定番の問題2問を解説します。

整数部分と小数部分

実数 $r$ に対して,$r$ 以下の整数で最大のものを $r$ の整数部分と言います。 $\lfloor r\rfloor$ と表すことが多いです。→ガウス記号の定義と3つの性質

また,$r-\lfloor r\rfloor$ を $r$ の小数部分と言います。 $\{r\}$ と表すことが多い気がします。

$3.2$ の整数部分は $3$,小数部分は $0.2$
$\pi$ の整数部分は $3$,小数部分は $\pi-3$
$1$ の整数部分は $1$,小数部分は $0$
$-2.3$ の整数部分は$-3$,小数部分は $0.7$
$-\pi$ の整数部分は$-4$,小数部分は $4-\pi$

注:負の数の整数部分,小数部分について「$-2.3$ の整数部分を$-2$,小数部分を$-0.3$ とする」という考え方も可能ですが,基本的には小数部分が $0$ 以上 $1$ 未満になるように上記のように定義します。

分数やルートを含む式の整数部分,小数部分

例題1

$\dfrac{3+\sqrt{5}}{2}$ の整数部分と小数部分を求めよ。

ゆるい解答

$\sqrt{5}$ は $2.236$ くらいなので,$3+\sqrt{5}=5.236$ くらい。 $\dfrac{3+\sqrt{5}}{2}$ は $2.6$ くらい。
よって,$\dfrac{3+\sqrt{5}}{2}$ の整数部分は $2$,小数部分は $\left(\dfrac{3+\sqrt{5}}{2}\right)-2=\dfrac{\sqrt{5}-1}{2}$

きちんとした解答

$4< 5 < 9$ より各辺のルートをとると $2< \sqrt{5} < 3$ である。
よって,$\dfrac{5}{2}<\dfrac{3+\sqrt{5}}{2}< 3$
つまり,$\dfrac{3+\sqrt{5}}{2}$ の整数部分は $2$,小数部分は $\left(\dfrac{3+\sqrt{5}}{2}\right)-2=\dfrac{\sqrt{5}-1}{2}$

注:答えの値だけを素早く求めたいときは「ゆるい解答」のように大雑把な値を計算するのがオススメです。実際に記述式の試験の解答を書くときには「きちんとした解答」のように不等式ではさみましょう。

式の値を計算する問題

例題2

$4+\sqrt{3}$ の整数部分を $a$,小数部分を $b$ とするとき,$a^2+2ab+b^2+2b$ の値を計算せよ。

解答

$5 < 4+\sqrt{3}< 6$ より,$a=5,b=\sqrt{3}-1$
地道に計算すると,求める値は
$5^2+2\cdot 5\cdot(\sqrt{3}-1)+(\sqrt{3}-1)^2+2(\sqrt{3}-1)\\
=25+10\sqrt{3}-10+4-2\sqrt{3}+2\sqrt{3}-2\\
=17+10\sqrt{3}$

別解

$a=5$,$a+b=4+\sqrt{3}$ より,求める値は
$(a+b)^2+2(a+b)-2a\\
=(4+\sqrt{3})^2+2(4+\sqrt{3})-2\cdot 5\\
=19+8\sqrt{3}+8+2\sqrt{3}-10\\
=17+10\sqrt{3}$

注:$a+b$ と $a$ の式で簡単に表せるような式の値は別解の方法で計算した方が楽になる場合があります。

式の計算の問題は計算ミスとの闘いになります。複数の解答方法を知っていると検算に役立ちます。
分野: 式の計算  レベル: 基本公式