2016/09/19

正四面体の中心角の2通りの求め方

分野: 空間図形  レベル: 最難関大学

正四面体 $ABCD$ の中心を $G$ とする。このとき,正四面体の中心角 $\theta=\angle AGB$ は,
$\cos\theta=-\dfrac{1}{3}$ を満たす。
具体的には,$\theta\simeq 109.5^{\circ}$

諸注意

正四面体では,
・外心(外接球の中心)
・内心(内接球の中心)
・重心(位置ベクトルの平均)
・垂心(頂点から対面に降ろした垂線の交点)
は全て一致します。この点を「中心」と呼ぶことにします。

この記事では,$\angle AGB$ のことを「中心角」と呼んでいますが,この用語の使い方は一般的でない気がします。

以下では,$\cos\angle AGB=-\dfrac{1}{3}$ であることを2通りの方法で証明します。

重心の性質を用いた証明(ややめんどう)

1辺が $1$ の正四面体について考えます。

1辺が $1$ の正三角形の面積が $\dfrac{\sqrt{3}}{4}$
1辺が $1$ の正四面体の体積が $\dfrac{\sqrt{2}}{12}$
であることを使います。→正三角形の面積、正四面体の体積

証明

$A$ から三角形 $BCD$ に下ろした垂線の足を $H$ とする。

このとき,
$\dfrac{\sqrt{3}}{4}\times AH\times \dfrac{1}{3}=\dfrac{\sqrt{2}}{12}$ より,
$AH=\dfrac{\sqrt{2}}{\sqrt{3}}=\dfrac{\sqrt{6}}{3}$

また,四面体の重心の性質より,$AG:GH=3:1$ であるので、
$AG=\dfrac{3}{4}AH=\dfrac{\sqrt{6}}{4}$

対称性より、$BG=\dfrac{\sqrt{6}}{4}$
よって、三角形 $ABG$ に余弦定理を使うと、
$\cos\theta=\dfrac{AG^2+BG^2-AB^2}{2AG\cdot BG}\\
=\dfrac{\frac{6}{16}+\frac{6}{16}-1}{2\cdot\frac{6}{16}}\\
=-\dfrac{1}{3}$

立方体を用いた証明(きれい!)

正四面体in立方体

立方体の4つの頂点をうまく選ぶことで,正四面体を構成することができます。→正四面体の体積を計算する

これを利用すれば $\cos\theta=-\dfrac{1}{3}$ を非常に簡単な計算で示すことができます。

証明

座標空間上に正四面体 $ABCD$ を以下のように構成する:
$A(0,0,0)$,$B(2,2,0)$,$C(2,0,2)$,$D(0,2,2)$

このとき,正四面体の中心 $G$ の座標は $(1,1,1)$ となる。

$\overrightarrow{GA}=(-1,-1,-1)$
$\overrightarrow{GB}=(1,1,-1)$
より,
$\cos\theta=\dfrac{\overrightarrow{GA}\cdot\overrightarrow{GB}}{|\overrightarrow{GA}||\overrightarrow{GB}|}\\
=\dfrac{-1-1+1}{\sqrt{3}\cdot\sqrt{3}}\\
=-\dfrac{1}{3}$

分野: 空間図形  レベル: 最難関大学