2014/08/18

降べきの順と昇べきの順について

分野: 式の計算  レベル: 基本公式

降べきの順,昇べきの順に整理する話。知識自体はほとんどが中学レベルですが,もう少し深く考察してみます。

式の整理

式が散らかっていると見にくいので見やすいように整理しようというお話です。

式を整理すると,

  • 単純に見やすい,そのため次なる一手につなげやすい
  • 因数分解しやすくなる

などの恩恵があります。どのように整理すると最大限恩恵が得られるのか考えてみます。

降べきの順,昇べきの順とは

$x$ についての多項式を次数が高いものから順に並べることを「降べきの順(こうべき,降冪)に整理する」と言います。「べき」とは指数のことです。指数がだんだん降りていくように整理することです。

また,次数が低い順に並べることを「昇べきの順(しょうべき,昇冪)に整理する」と言います。指数がだんだん増えていくように整理することです。

$4x+x^3-x^2+1$ を

  • 降べきの順に整理:$x^3-x^2+4x+1$
  • 昇べきの順に整理:$1+4x-x^2+x^3$

また,変数がいくつもある多項式については,特定の変数の次数に注目して整理することになります。注目する変数以外は全て定数とみなします。

$x^2+xy-3+y^3-x$

  • $x$ について降べきの順に整理:$x^2+(y-1)x+y^3-3$
  • $x$ について昇べきの順に整理:$y^3-3+(y-1)x+x^2$
  • $y$ について降べきの順に整理:$y^3+xy+x^2-x-3$
  • $y$ について昇べきの順に整理:$x^2-x-3+xy+y^3$

このように多項式1つに対してもいろいろな整理の方法があります。以下では,どのように整理するのが最善なのか考えてみます。

降べきの順VS昇べきの順

降べきの順と昇べきの順のどちらがよりよいのか考えるときに「重要なものを先頭に持ってくる」というのが基本方針になります。次数の高いものが重要なのか,定数項が重要なのか,場面に応じて使い分けます。

  • 基本的には降べきの順に整理すればよいです。多くの場面では高次の項が重要だからです。
  • まれに昇べきの順に整理する場面(定数項が重要な場合)が出てきます。例えば,マクローリン展開など,いろいろな関数を多項式で近似する場合は定数項が重要なのです。

・実は,対称式の場合は降べきの順でも昇べきの順でもない整理の仕方が一番美しい場合があります。

$a^2+b^2+c^2+ab+bc+ca$
はこのままで美しい。
例えば $a$ について降べきの順に整理すると,$a^2+(b+c)a+b^2+c^2+bc$,
$a$ について昇べきの順に整理すると,$b^2+bc+c^2+(b+c)a+a^2$
となりいずれも汚くなってしまう。

・このように場面に応じて使い分けることが重要です。場面に相応しくない整理の仕方だと,答えは合っていても採点者に「この人はセンスがないなあ」と思われてしまいます。

答えが正しいだけでなく,センスのある美しい解答を書けるようになりましょう。きっと間接的に得点アップにつながります。
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