2015/02/16

三角数とは,三角数定理,平方数との関係

分野: 整数問題  レベル: マニアック

1.三角数とは?
2.三角数定理!
3.ペル方程式を使って三角数かつ平方数であるものを明示的に表す公式を導出(←感動!)。

三角数とは

三角数の定義

三角数とは,図のように正三角形の形に点を並べたときに,点の個数としてあらわれる数字のことです。

三角数を小さい順に並べていくと,$1,3,6,10,15,21\cdots $となります。

同様に,四角数(=平方数)なども定義できます。

三角数の求め方

$n$ 番目の三角数は $T_n=\dfrac{n(n+1)}{2}$ である。

これは,$1$ から $n$ までの数字の和が $\dfrac{n(n+1)}{2}$ ということと同じです。数学Bで習う数列の簡単な公式に過ぎません。

三角数の求め方

しかし,シグマとかを知らなくても図のように点を並べて説明することで $2T_n=n(n+1)$ が簡単に(小学生でも)理解できます。

三角数定理

三角数定理(ガウス):任意の正の整数 $n$ は三つ以下の三角数の和で表すことができる。

$7=3+3+1,17=10+6+1,21=15+6$

実はこの定理,一般の $m$ 角数に拡張できます。全ての $m\geq 3$ に対して「任意の正の整数は $m$ 個以下の $m$ 角数の和で表すことができる」のです! $m=4$ の場合がラグランジュの四平方定理(有名)です。→整数論の美しい定理7つの五つ目。

この定理の証明は非常に難しいです(三角数の場合でさえ大変)。

三つの平方数の和

三角数定理の証明に用いる定理を紹介します。

$8$ で割って $3$ 余る正の整数は三つ以下の平方数の和で表せる(ルジャンドルの結果の特殊な場合)

$19=3^2+3^2+1^2$

この定理を証明するのが大変ですが,これを認めてしまえば三角数定理の証明は簡単です。

(ルジャンドル→三角数定理)
$n$ を三つの三角数の和で表すことを考える。

ルジャンドルの結果より
$8n+3=a^2+b^2+c^2$ となる非負の整数 $a,b,c$ が存在する。

平方数を $8$ で割った余りは $0,1,4$ のいずれかなので,$a,b,c$ はいずれも $8$ で割って $1$ 余る数である。よって,$a,b,c$ はいずれも奇数となり,$a=2A+1,b=2B+1,c=2C+1$ とおける($A,B,C$ は非負整数)。

このとき,$8n+3=(2A+1)^2+(2B+1)^2+(2C+1)^2$

整理する:
$8n=4A^2+4A+4B^2+4B+4C^2+4C$
$n=\dfrac{A(A+1)}{2}+\dfrac{B(B+1)}{2}+\dfrac{C(C+1)}{2}$

となり,$n$ は三つの三角数の和で表せた!

三角数かつ平方数(四角数)であるもの

最後に,三角数かつ平方数であるような正の整数について考えます。途中でペル方程式が登場します。→ペル方程式に関する基本的な性質まとめ

$N$ が三角数かつ平方数のとき,
$N=\dfrac{n(n+1)}{2}=m^2$ となる正の整数 $m,n$ が存在します。

二次の不定方程式は適切に変換することでペル方程式になることが多いです。今回も,
$n^2+n=2m^2\\\to (n+\dfrac{1}{2})^2-\dfrac{1}{4}=2m^2\\
\to (2n+1)^2-1=8m^2\\\to l^2-8m^2=1$
ただし,$l=2n+1$ とおきました。

このペル方程式の特殊解は $l=3,m=1$ であるので,一般解は
$l_k+m_k\sqrt{8}=(3+\sqrt{8})^k$
$m_k$ を明示的に求める(→注)と,
$m_k=\dfrac{1}{4\sqrt{2}}\{(3+\sqrt{8})^k-(3-\sqrt{8})^k\}$

よって,三角数かつ平方数であるものは,
$m_k^2=\dfrac{1}{32}\{(3+2\sqrt{2})^k-(3-2\sqrt{2})^k\}^2$


注(共役無理数に関する二つの定理の二つ目の定理より)
$l_k+m_k\sqrt{8}=(3+\sqrt{8})^k$ から
$l_k-m_k\sqrt{8}=(3-\sqrt{8})^k$
が分かる。この二式から $l_k$ を消去すると $m_k$ が分かる。

これは読者の方に教えていただきました,感謝!

ペル方程式が登場して嬉しいです!
分野: 整数問題  レベル: マニアック