2014/02/18

三倍角の公式と変形三倍角の公式


三倍角の公式と,その変形版の紹介。

三倍角の公式:
$\sin3\theta=-4\sin^3\theta+3\sin\theta\\
\cos3\theta=4\cos^3\theta-3\cos\theta\\$

受験生はまるごと覚えることをおすすめしますが,使用頻度はさほど高くないので,毎回加法定理を用いて導出してもよいでしょう。ただし,暗記しない場合でも導出は1分以内にできるようになっておきたいです。
三倍角の公式の導出は教科書にも載っているので割愛します。

変形三倍角の公式

三倍角の公式を用いて以下の美しい公式が導かれる:
$\sin3\theta=-4\sin\theta\sin(\theta+60^\circ)\sin(\theta-60^\circ)\\\cos3\theta=4\cos\theta\cos(\theta+60^\circ)\cos(\theta-60^\circ)$

この公式は例えば,フランクモーリーの定理の証明に用いられます。猛者は数学オリンピックの本戦対策として覚えておきましょう。
→フランク・モーリーの定理の証明

右辺を加法定理で展開すれば三倍角の公式の右辺と一致することが確認できるので証明は難しくありません。しかし,この公式をいきなり見せられても天下り感は否めないでしょう。そこで,三倍角の公式の右辺を因数分解して合成を行うことで,変形版公式が自然に導かれることを示します:

証明

$\begin{align*}\sin3\theta
&=-4\sin^3\theta+3\sin\theta\\
&=\sin\theta(-4\sin^2\theta+3)\\
&=\sin\theta(-\sin^2\theta+3\cos^2\theta)\\
&=\sin\theta(\sqrt{3}\cos\theta+\sin\theta)(\sqrt{3}\cos\theta-\sin\theta)\\
&=-4\sin\theta\sin(\theta+60^\circ)\sin(\theta-60^\circ)\\\\
\cos3\theta
&=4\cos^3\theta-3\cos\theta\\
&=\cos\theta(4\cos^2\theta-3)\\
&=\cos\theta(\cos^2\theta-3\sin^2\theta)\\
&=\cos\theta(\cos\theta+\sqrt{3}\sin\theta)(\cos\theta-\sqrt{3}\sin\theta)\\
&=4\cos\theta\cos(\theta+60^\circ)\cos(\theta-60^\circ)\\\end{align*}$

フランクモーリー以外では使わないと思いますがなかなか綺麗な公式です。

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