2015/09/06

三次元極座標についての基本的な知識

分野: 解析  レベル: 大学数学

三次元極座標の基本的な知識(変換式,ヤコビアン,重積分の変換公式など)を整理しました。

三次元極座標とは

二次元極座標は原点からの距離 $r$ と偏角 $\theta$ で点の位置を表現する方法でした。

三次元極座標

三次元極座標は原点からの距離 $r$ と,二つの角度パラメータ $\theta,\phi$ で点 $P$ の位置を表現する方法です。
$\theta$ は $z$ 軸の正の向きと $OP$ のなす角(緯度っぽい)で,$0\leq \theta\leq \pi$ です。 $\phi$ は $x$ 軸の正の向きと $OQ$($Q$ は $P$ から $xy$ 平面に下ろした垂線の足)のなす角(経度っぽい)で,$0\leq \phi < 2\pi$ です。

$(r,\theta,\phi)$ を一つ決めると点が一つ定まります。

変換式

点 $P$ が三次元直交座標で$(x,y,z)$,三次元極座標で$(r,\theta,\phi)$ と表現されるとき,以下の関係式が成立します:
$x=r\sin\theta\cos\phi$
$y=r\sin\theta\sin\phi$
$z=r\cos\theta$

上の図を見て確認してください。これはよく使うので覚えておいてもよいでしょう。ちなみに,逆変換は
$r=\sqrt{x^2+y^2+z^2}$
$\theta=\mathrm{Arccos}\dfrac{z}{\sqrt{x^2+y^2+z^2}}$
$\phi=\mathrm{Arccos}\dfrac{x}{\sqrt{x^2+y^2}}$
です。覚える必要はありません。

体積要素

微小領域の体積:
$r_0\leq r\leq r_0+\Delta r$,$\theta_0\leq \theta\leq \theta_0+\Delta \theta$,$\phi_0\leq \phi\leq \phi_0+\Delta \phi$ の部分の体積は,$\Delta r,\Delta\theta,\Delta\phi$ が十分小さい($0$ に近い)とき,
$r_0^2\sin\theta_0\Delta r\Delta\theta\Delta\phi$
に近づく。

体積の拡大率(ヤコビアン)が $r^2\sin\theta$ であることは覚えておきましょう。

三次元極座標の微小体積

(説明)
$\Delta r,\Delta\theta,\Delta\phi$ が十分小さいとき微小領域は,底面積が $r_0\sin\theta_0\Delta\phi\cdot r_0\Delta\theta$,厚みが $\Delta r$ の直方体とみなせる。
よって微小領域の体積は $r_0^2\sin\theta_0\Delta r\Delta\theta\Delta\phi$

重積分の変換公式

重積分の変換公式:
「 $f$ を $x,y,z$ で積分」〜「 $fr^2\sin\theta$ を $r,\theta,\phi$ で積分」

直交座標における体積積分と極座標における体積積分の変換式です。

(感覚的な説明)
微小体積 $dV$ が直交座標では $dxdydz$,(先ほどの議論により)極座標では $r^2\sin\theta drd\theta d\phi$ と表されるので,$\iiint fdxdydz=\iiint fr^2\sin\theta drd\theta d\phi$

(きちんとした証明)
ヤコビアンを計算すると $r^2\sin\theta$ になることから分かる。→ヤコビ行列,ヤコビアンの定義と極座標の例

日本はだいたい $r=6400 $km,$\theta=55^{\circ}$,$\phi=135^{\circ}$ くらいです。
分野: 解析  レベル: 大学数学