2016/02/21

連立漸化式の3通りの解き方

分野: 数列  レベル: 最難関大学

連立漸化式:
$a_{n+1}=Aa_n+Bb_n$
$b_{n+1}=Ca_n+Db_n$
の3通りの解き方を,例題を通じて解説します。

三項間漸化式に帰着させる方法

$a_n$,$b_n$ のいずれか片方を消去することで,三項間漸化式に帰着させます。自分は高校時代,この解法を使っていました。

例題

$a_1=2$,$b_1=-1$ のもとで,連立漸化式
$a_{n+1}=3a_n+b_n$
$b_{n+1}=2a_n+2b_n$
を解け。

解答

上の式より $b_n=a_{n+1}-3a_n$($b_{n+1}=a_{n+2}-3a_{n+1}$)なので,下の式に代入すると,
$a_{n+2}-3a_{n+1}=2a_n+2(a_{n+1}-3a_n)$
$a_{n+2}=5a_{n+1}-4a_n$
この三項間漸化式を $a_1=2$,$a_2=3a_1+b_1=5$ のもとで解く(計算略,解き方は→三項間漸化式の3通りの解き方を参照)
と,$a_n=4^{n-1}+1$
よって,
$b_n=a_{n+1}-3a_n\\
=4^n+1-3(4^{n-1}+1)\\
=4^{n-1}-2$

等比数列を作る方法

$a_n+k b_n$ が公比 $r$ の等比数列になるような $k$,$r$ を求めることで解きます。

解答2

$a_{n+1}+kb_{n+1}=r(a_n+kb_n)$
となる $k$,$r$ を求める。左辺に与えられた漸化式を代入すると,
$3a_n+b_n+2ka_n+2kb_n=ra_n+rkb_n$
となる。係数を比較すると,$3+2k=r$,$1+2k=rk$
この連立方程式を解くと,$(k,r)=(-1,1),(\frac{1}{2},4)$
よって,
$a_n-b_n=a_{n-1}-b_{n-1}=\cdots =a_1-b_1=3$
$a_n+\frac{1}{2}b_n=4\left(a_{n-1}+\frac{1}{2}b_{n-1}\right)=\cdots =4^{n-1}\left(a_1+\frac{1}{2}b_1\right)=\frac{3\cdot 4^{n-1}}{2}$

この2式を $a_n$,$b_n$ について解くと,
$a_n=4^{n-1}+1$,$b_n=4^{n-1}-2$

行列の $n$ 乗を用いる方法

新課程では高校数学範囲外ですが,行列を使うと綺麗に解けます。連立漸化式を解くということは行列の $n$ 乗を求めることに他なりません。この方法は,よりサイズが大きい連立漸化式にも簡単に拡張できます。

解答3

連立漸化式を行列の形で書くと,
$\begin{pmatrix}a_{n+1}\\b_{n+1}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}3&1\\2&2\end{pmatrix}\begin{pmatrix}a_n\\b_n\end{pmatrix}$
よって,
$\begin{pmatrix}a_{n}\\b_{n}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}3&1\\2&2\end{pmatrix}^{n-1}\begin{pmatrix}a_1\\b_1\end{pmatrix}$

これと,$\begin{pmatrix}3&1\\2&2\end{pmatrix}^{n-1}=\dfrac{1}{3}\begin{pmatrix}2\cdot 4^{n-1}+1&4^{n-1}-1\\2\cdot 4^{n-1}-2& 4^{n-1}+2\end{pmatrix}$ である(→行列のn乗の求め方と例題の例題参照)ことから答えが求まる。

なお,行列の $n$ 乗と漸化式の関係については漸化式の特性方程式の意味とうまくいく理由もどうぞ。

連立漸化式は確率の問題でもときどき登場します。

Tag: 漸化式の解き方と応用例まとめ

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