2016/11/25

レイリー分布の期待値、分散、正規分布との関係


確率密度関数が $f(r)=\dfrac{r}{\sigma^2}e^{-\frac{r^2}{2\sigma^2}}$ ($r\geq 0$)であるような連続型確率分布をレイリー分布と言う。

$\sigma$ は正のパラメータです。

レイリー分布の期待値

レイリー分布の期待値は $\sigma\sqrt{\dfrac{\pi}{2}}$

ガウス積分の公式の2通りの証明で導いたように,
$\displaystyle\int_0^{\infty}e^{-ax^2}dx=\dfrac{1}{2}\sqrt{\dfrac{\pi}{a}}$ が成立します。これを使います。

証明

部分積分を使うと,期待値は,
$\dfrac{1}{\sigma^2}\displaystyle\int_0^{\infty}r\cdot re^{-\frac{r^2}{2\sigma^2}}dr\\
=\dfrac{1}{\sigma^2}\left[r\cdot(-\sigma^2)e^{-\frac{r^2}{2\sigma^2}}\right]_0^{\infty}+\dfrac{1}{\sigma^2}\displaystyle\int_0^{\infty}\sigma^2e^{-\frac{r^2}{2\sigma^2}}dr\\
=0+\dfrac{1}{2}\sqrt{\pi\cdot 2\sigma^2}\\
=\sigma\sqrt{\dfrac{\pi}{2}}$

レイリー分布の分散

レイリー分布の分散は $\left(2-\dfrac{\pi}{2}\right)\sigma^2 \fallingdotseq 0.4\sigma^2$

証明

期待値の導出とほぼ同じ。部分積分を使うと,
$E[R^2]=\dfrac{1}{\sigma^2}\displaystyle\int_0^{\infty}r^2\cdot re^{-\frac{r^2}{2\sigma^2}}dr\\
=0+\displaystyle\int_0^{\infty} 2r\cdot e^{-\frac{r^2}{2\sigma^2}}dr\\
=\left[-2\sigma^2e^{-\frac{r^2}{2\sigma^2}}\right]_0^{\infty}\\
=2\sigma^2$

よって,分散は
$E[R^2]-E[R]^2=2\sigma^2-\dfrac{\pi}{2}\sigma^2$

正規分布との関係

$X$,$Y$ が独立に平均 $0$,分散 $\sigma^2$ の正規分布に従うとき,$\sqrt{X^2+Y^2}$ はパラメータ $\sigma$ のレイリー分布に従う。

平均 $0$ の正規分布に従う乱数 $X$,$Y$ を発生させて $(X,Y)$ を座標平面にプロットすると,原点からの距離はレイリー分布に従うというわけです。

極座標変換を使います。→ヤコビ行列,ヤコビアンの定義と極座標の例

導出

$X=x$,$Y=y$ となる確率は,正規分布の密度関数をかけ合わせたような形になる:
$P(X=x,Y=y)=\dfrac{1}{2\pi\sigma^2}\exp\left(-\dfrac{x^2+y^2}{2\sigma^2}\right)$

ここで,$(X,Y)$ から極座標 $(R,\Theta)$ に変数変換する。ヤコビアンは $r$ なので,
$P(R=r,\Theta=\theta)=\dfrac{r}{2\pi\sigma^2}\exp\left(-\dfrac{r^2}{2\sigma^2}\right)$

これは $\theta$ によらないので $\theta$ で積分すると $2\pi$ がかかるだけ:
$P(R=r)=\dfrac{r}{\sigma^2}\exp\left(-\dfrac{r^2}{2\sigma^2}\right)$
レイリー分布の確率密度関数となりました。

ちなみに中央値は $\sigma\sqrt{\log 4}$ になります。

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