2014/06/10

方程式の有理数解

分野: 方程式,恒等式  レベル: 基本公式

定理:整数係数多項式$=0$ の形の方程式が有理数解 $\dfrac{q}{p}$ を持つなら,
$p$ は最高次の係数の約数であり,$q$ は定数項の約数である。


この定理は三次,四次方程式を解くのに役立つだけでなく,整数問題にも頻繁に登場します。

このページでは三次方程式について説明した上で,定理の証明を解説します。

三次方程式の有理数解についての考察

1:基本方針は,上記の定理と因数定理を用いて有理数解を発見します。

例1

$x^3-x^2-x-2=0$

解の候補は $x=1,2,-1,-2$
左辺にそれぞれ代入すると因数定理より $x=2$ が解であることが分かります。

例2

$4x^3-2x^2+6{x}-3=0$

解の候補は $x=\pm 1,\pm 3,\pm\dfrac{1}{2},\pm\dfrac{3}{2},\pm\dfrac{1}{4},\pm\dfrac{3}{4}$
左辺にそれぞれ代入すると因数定理より $x=\dfrac{1}{2}$ が解であることが分かります。

2:三次方程式の有理数解は(存在するなら)$1$ つまたは $3$ つです。 $3$ つ存在する場合は解の候補の中に正解が $3$ つあるので比較的簡単ですが,上記の例たちのように正解が $1$ つしか存在しない場合は運が悪いと多くの時間を消費してしまいます。次から次へと確認していきましょう。

3:入試で出題される三次方程式はほぼ100%有理数解を持ちます。有理数解を持たない三次方程式は複雑過ぎるからです。→カルダノの公式と例題
というわけで,有理数解を持たない三次方程式を解く必要が生じた場合,そこまでの課程で計算ミスをしている可能性が非常に高いのです。

四次以上の方程式の場合も同様です。

定理の証明

方針:解 $\dfrac{q}{p}$ を代入して分母を払うだけで簡単に証明できます。

証明

方程式 $a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots +a_1x+a_0=0$ について考える。
この方程式が有理数解 $\dfrac{q}{p}$ ($p$ と $q$ は互いに素)を持つとき,もとの方程式に代入すると,
$a_n(\dfrac{q}{p})^n+a_{n-1}(\dfrac{q}{p})^{n-1}+\cdots +a_1\dfrac{q}{p}+a_0=0$

両辺に $p^n$ をかけると,

  • 第二項以降は全て $p$ の倍数になる。よって第一項 $a_nq^n$ も $p$ の倍数となる。 $p$ と $q$ は互いに素なので $a_n$ が $p$ の倍数となる。
  • 同様に最終項以外は全て $q$ の倍数になる。よって最終項 $a_0p^n$ も $q$ の倍数となる。 $p$ と $q$ は互いに素なので $a_0$ が $q$ の倍数となる。
有理数解が1つしかないときは直感が重要になります

Tag: いろいろな方程式の解き方まとめ

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