2014/02/28

問題集その2

分野: 難問・良問  レベル: 最難関大学

問題2−1:三角形 $ABC$ において,$\tan A, \tan B, \tan C$ がいずれも整数となるとき $\tan C$ を求めよ。ただし,$\tan A\leq \tan B\leq\tan C$ とする。

問題2−2:任意の自然数 $n$ に対して,不等式$(1+\frac{1}{n})^n\leq(1+\frac{1}{n+1})^{n+1}$ が成立することを証明せよ。

問題2−3:三角形 $ABC$ において,$AB=5, BC=6, CA=7$ のとき三角形 $ABC$ の内心と外心の距離を求めよ。

解答

2−1の解答:
有名問題です。
$\tan$ が整数なので各角度は $45^{\circ}$ 以上である。よって,三角形 $ABC$ は鈍角三角形ではない。
よって,$\tan A,\tan B,\tan C$ は正の整数である。

また,タンジェントの関係式より,$\tan A+\tan B+\tan C=\tan A\tan B\tan C$
これと,$\tan A+\tan B+\tan C\leq 3\tan C$ より,$\tan A \tan B\leq 3$
よって,$(\tan A, \tan B)=(1, 1),(1, 2),(1, 3)$ を全て調べると題位を満たすのは,
$\tan A=1, \tan B=2,$  $\tan C=3$ のみ


2−2の解答:
微分法を用いて $f(x)=(1+\frac{1}{x})^{x}$ が単調増加であることを示せばよいのですが,ここでは相加相乗平均の不等式を用いたエレガントな証明を紹介します。
$n$ 個の $\dfrac{n+1}{n}$ と $1$ 個の $1$ に相加相乗平均の不等式を用いると,
$\dfrac{\frac{n+1}{n}\cdot n+1}{n+1}\geq\sqrt[n+1]{\left(\dfrac{n+1}{n}\right)^n}$
この式を整理して求める不等式を得る:
$(1+\dfrac{1}{n+1})^{n+1}\geq \left(1+\dfrac{1}{n}\right)^n$

コメント:数列 $\left(1+\dfrac{1}{n}\right)^n$ が単調増加であることが分かります,この数列の極限が自然対数の底 $e$ です。


2−3の解答:
難問です。いろいろな方法があると思いますが,ここではオイラーの定理を用います。
ヘロンの公式より三角形 $ABC$ の面積 $S$ は,$S=\sqrt{9(9-5)(9-6)(9-7)}=6\sqrt{6}$
内接円の半径 $r$ は $r=\dfrac{2S}{a+b+c}=\dfrac{2}{3}\sqrt{6}$
外接円の半径と面積の公式より,外接円の半径 $R$ は
$R=\dfrac{abc}{4S}=\dfrac{35}{4\sqrt{6}}$
オイラーの定理より外心と内心の距離は,
$\sqrt{R^2-2Rr}=\sqrt{\left(\dfrac{35}{4\sqrt{6}}\right)^2-2\cdot\dfrac{35}{4\sqrt{6}}\cdot\dfrac{2}{3}\sqrt{6}}=$ $\dfrac{\sqrt{70}}{8}$


分野: 難問・良問  レベル: 最難関大学