2014/07/01

1の三乗根オメガを用いた計算と因数分解

分野: 複素数  レベル: 入試対策

$1$ の三乗根 $\omega$ (オメガ)に関する話題です。

オメガに関する基本的な事柄

  • $1$ の三乗根は $1,\dfrac{-1+\sqrt{3}i}{2},\dfrac{-1-\sqrt{3}i}{2}$ の $3$ つです。 $3$ つのうち $2$ つは虚数ですが,そのうちの一方を $\omega$ とおくと,他方は $\omega^2$ と表されます。(どちらを $\omega$ とおいても議論に影響しないというのは不思議ですね!)
  • 複素数平面で $1,\omega,\omega^2$ は正三角形を表します。
  • 二次方程式を解く際に虚数単位 $i$ が必要になったのと同様に,三次方程式を解く際に $\omega$ が必要になります。→カルダノの公式と例題
  • $\omega^3=1, \omega^2+\omega+1=0$
    $1$ つめは定義から当たり前です。 $2$ つめは $1$ つめの式を因数分解して $\omega\neq 1$ であることを使えば分かります。

オメガの多項式を計算する問題

$\omega$ の多項式は必ず $A\omega+B$ という形まで計算できる。特に試験問題では $A=0$ となる場合が圧倒的に多い。

まず $\omega^3=1$ を用いて $\omega$ の二次式まで計算します。次に $\omega^2=-\omega-1$ を用いて一次式にします。

$\omega^{100}+\omega^{50}=(\omega^3)^{33}\omega+(\omega^3)^{16}\omega^2\\
=\omega+\omega^2=-1$

この方法でどんな多項式にも対応できます。

オメガを用いた因数分解

本日のメインテーマです。

$x$ の多項式 $f(x)$ が $x^2+x+1$ を因数に持つ必要十分条件は $f(\omega)=f(\omega^2)=0$ なので先ほどの計算方法を用いて簡単に確認できる。

特に,$f(x)=x^p+x^q+x^r$ のような形のときに効果てきめんです。

例題

$f(x)=x^5+x^4+1$ を因数分解せよ。

解答

簡単に因数分解できなさそうですが,$f(\omega)=\omega^5+\omega^4+1=\omega^2+\omega+1=0$ であり,同様に $f(\omega^2)=0$ も分かるので $f(x)$ は$(x-\omega)(x-\omega^2)=x^2+x+1$ を因数に持ちます。あとは頑張って割り算をするのみ:
$x^5+x^4+1=(x^2+x+1)(x^3-x+1)$


次は2003年京大前期の第四問です。

問題

$f(x)=(x^{100}+1)^{100}+(x^2+1)^{100}+1$ は $x^2+x+1$ で割り切れるか。

解答

同様に $f(\omega)=f(\omega^2)=0$ かどうか確認するだけです。
$f(\omega)=(\omega+1)^{100}+(\omega^2+1)^{100}+1\\
=(-\omega^2)^{100}+(-\omega)^{100}+1\\
=\omega^{200}+\omega^{100}+1\\
=\omega^2+\omega+1=0$
$f(\omega^2)$ も同様にして $0$ となることが分かるので $f(x)$ は $x^2+x+1$ で割り切れる!

$x^m$ の係数が全部 $1$ であるような多項式が出てきたら $\omega$ を意識するようにしましょう。

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