2016/11/23

負の二項分布の意味と期待値、分散


$P(x)=\dbinom{x-1}{k-1}p^{k}(1-p)^{x-k}$($x$ は非負整数)
で表される離散型確率分布を負の二項分布と言う。


ただし,$\dbinom{x-1}{k-1}$ は二項係数 ${}_{x-1}\mathrm{C}_{k-1}$ のことです。$x < k$ のときは $\dbinom{x-1}{k-1}=0$ と考えます。
$p,k$ はパラメータです。$p$ は $0\leq p\leq 1$ を満たす実数,$k$ は整数です。

負の二項分布の意味

確率 $p$ で成功するような試行を繰り返し行う状況を考えます。 $k$ 回成功するまでに $x$ 回の試行が必要となる確率は,
($x-1$ 回で $k-1$ 回成功して $x$ 回目に成功する確率なので)
$\dbinom{x-1}{k-1}p^{k-1}(1-p)^{x-k}\cdot p$
となります。
→反復試行の確率の公式といろいろな例題

つまり,負の二項分布は同じことを繰り返し行うとき,$k$ 回成功するまでの回数が従う分布です。例えば,じゃんけんを繰り返して $10$ 回勝つまでに何回勝負する必要があるか,といった問題に対応します。

注:「$k$ 回成功するまでに何回失敗したか」が従う分布を負の二項分布と言うこともあります。その場合カウントが $k$ ずれるので注意して下さい。

他の分布との関係

負の二項分布は(普通の)二項分布と状況が似ていますが,
二項分布:試行回数を固定,成功回数が確率変数
負の二項分布:成功回数を固定,試行回数が確率変数
です。

また,負の二項分布で $k=1$ としたものが幾何分布です(初めて成功するまでの回数が従う分布)。→幾何分布の具体例と期待値,無記憶性について

また,負の二項分布の連続バージョンがガンマ分布です。
→ガンマ分布の意味と期待値、分散

負の二項分布 class=

期待値、分散

負の二項分布の期待値は $\dfrac{k}{p}$,分散は $\dfrac{k(1-p)}{p^2}$

期待値,分散の導出は直接計算してもよいですが,ここでは幾何分布を利用してみます。以下の前提知識を使います。

  1. 幾何分布の期待値は $\dfrac{1}{p}$,分散は $\dfrac{1-p}{p^2}$
  2. $X_1,X_2,\cdots,X_k$ が独立に(パラメータ $p$ の)幾何分布に従うとき $Y=X_1+X_2+\cdots +X_k$ は(パラメータ $p$ と $k$ の)負の二項分布に従う。

期待値の導出

上記の前提知識より,負の二項分布の期待値は,
$E[Y]=E[X_1+X_2+\cdots +X_k]\\
=E[X_1]+E[X_2]+\cdots +E[X_k]\\
=\dfrac{k}{p}$
(途中で和の期待値は期待値の和を使った)

分散の導出

同様に,負の二項分布の分散は,
$V[Y]=V[X_1+X_2+\cdots +X_k]\\
=V[X_1]+V[X_2]+\cdots +V[X_k]\\
=\dfrac{k(1-p)}{p^2}$
(ただし,$X_1,X_2,\cdots,X_k$ が独立なので和の分散が分散の和になることを用いた)

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