2014/06/09

ネイピア数eが無理数であることの証明

分野: 指数・対数関数  レベル: 最難関大学

ネイピア数 $e$ は無理数である


このページでは有名なフーリエの方法を紹介します。オイラーの方法についても概略を述べます。

eが無理数であることの証明(フーリエ)

使う道具は,マクローリン展開,背理法,等比数列による評価です。マクローリン展開を認めてしまうので厳密には高校範囲の証明ではありませんが,最も有名な証明方法です。

方針:マクローリン展開を用いて $e$ を表します。 $p!$ をかけることで途中の項まで分母を払って整数を作り出します。残った項を等比数列でおさえることで矛盾を導きます。

証明

$e=\dfrac{q}{p}$ ($p,q$ は互いに素な自然数)と表せると仮定して矛盾を導く。
指数関数のマクローリン展開において $x=1$ を代入すると,
$\dfrac{q}{p}=e=1+1+\dfrac{1}{2!}+\dfrac{1}{3!}+\dfrac{1}{4!}+\cdots$
両辺に $p!$ をかけることで右辺の第 $p+1$ 項までの分母を払う:
$(p-1)!q=N+\dfrac{1}{(p+1)}+\dfrac{1}{(p+1)(p+2)}+\dfrac{1}{(p+1)(p+2)(p+3)}\cdots$
ただし,$N$ は自然数。
ここで,右辺の各項を上からおさえる:
$\dfrac{1}{(p+1)(p+2)} <\dfrac{1}{(p+1)^2}$
$\dfrac{1}{(p+1)(p+2)(p+3)} <\dfrac{1}{(p+1)^3}$
$\cdots$
よって,
$(p-1)!q-N <\dfrac{1}{(p+1)}+\dfrac{1}{(p+1)^2}+\dfrac{1}{(p+1)^3}+\cdots\\
<\dfrac{\frac{1}{p+1}}{1-\frac{1}{p+1}}\\=\dfrac{1}{p} \leq 1$
これは左辺が自然数であることに矛盾する。

eが無理数であることの証明(オイラー)

実は $e$ が無理数であることは1737年にオイラーによって初めて証明されました。(論文に掲載されたのは1744年)
オイラーの証明は無限連分数展開を用いるものです。(2の証明が発見できませんでした。発見した方はご一報ください。

方針:
1:有理数なら正則連分数展開は有限回で終わる
2:$e$ は正則連分数展開が無限回続く

1:正則な連分数展開とは分子が全て1となる連分数展開です。ユークリッドの互除法に基いて展開できます。

$2.7=\dfrac{27}{10}=2+\dfrac{7}{10}\\
=2+\dfrac{1}{\frac{10}{7}}\\
=2+\dfrac{1}{1+\frac{3}{7}}\\
=2+\dfrac{1}{1+\frac{1}{\frac{7}{3}}}\\
=2+\dfrac{1}{1+\frac{1}{2+\frac{1}{3}}}=[2;1,2,3]$

2:$e$ の連分数展開は,
$[2;1,2,1,1,4,1,1,6,1,1,8,1,\cdots]$
と規則的に無限に続くらしいです。

実は円周率 $\pi$ が無理数であることを示すほうがもっと難しいです

Tag: マクローリン展開の応用例まとめ

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