2014/12/26

国際数学オリンピックの超難問3選

分野: 難問・良問  レベル: 数学オリンピック

国際数学オリンピック(IMO)の過去問の中でも完答者が極めて少ない超難問を3問紹介します。

  • マスターデーモン(整数問題)
  • 20世紀最難問(幾何不等式)
  • 過去問の中で最難問(組合せ)


3問とも解説が大変なので解答はつけていません。勇者は挑戦してみてください。
※マスターデーモンのみヒントをつけているのでネタバレ注意です。

マスターデーモン

1990年 IMO中国大会 第3問です。数学オリンピック事典でマスターデーモンと呼ばれている超難問です。

問題

$2$ 以上の整数 $n$ で $\dfrac{2^n+1}{n^2}$ が整数となるようなものを全て求めよ。

平均点は約2点。そんなに低いわけではありませんが,多くの人が部分点止まり。完答した人は猛者308人中16人。

問題文なら中学生でも理解できますが,僕が知っている解き方では多くの高校生が知らない二つの大道具を使います。興味のある人は考えてみてください。
割り切れる回数:数オリの整数論(難問)に対するテクニック
位数:位数の性質と原始根の応用

20世紀最難問

1996年 IMOインド大会 第5問です。20世紀のIMOの問題の中で最も平均点が低い問題です。

問題

凸六角形 $ABCDEF$ において,$AB//DE$,$BC//EF$,$CD//FA$ とする。また,三角形 $FAB$,$BCD$,$DEF$ の外接円の半径を $R_A,\:R_C,\:R_E$ とおく。また,六角形の周の長さを $P$ とおく。
このとき $R_A+R_C+R_E\geq \dfrac{P}{2}$ を証明せよ。

凸とはへこんでないという意味です。

平均点は0.493/7点。完答した人は424人中6人!

幾何不等式は美しく僕の大好物でしたが全く手がでませんでした(^_^;)

ちなみに20世紀で二番目に平均点が低い難問は整数問題です。→数オリのテクニック〜Vieta jumping〜で解説しています。

21世紀最難問

21世紀は平均点0.5を下回る問題がバンバン出ています。→数学オリンピックの合格点推移

平均点と完答者数を考慮して自分が過去最難問だと思ったものを紹介します。2009年 IMOドイツ大会 第6問です。

問題

$a_1,\:a_2,\cdots ,a_n$ を相異なる正の整数とし,$M$ を $n-1$ 個の正の整数からなる集合とする。また,$M$ は $s=a_1+a_2+\cdots +a_n$ を含まない。数直線の $0$ の地点にいるバッタが数直線の正の向きに $n$ 回ジャンプする。 $n$ 回のジャンプの距離は $a_1,\:a_2,\cdots ,a_n$ の並び替えである。このとき並び替えをうまく選べばバッタが $M$ の要素に対応する $n-1$ 点に一度も着地しないようにできることを証明せよ。

平均点は0.168/7点。完答した人は565人中3人!
そのうちの1人が日本人!(副島氏)
彼はその年,6問とも満点で2009年数学オリンピックの(同率)世界チャンプです。

IMOの問3,問6は鑑賞するには良いですが,難しすぎるので演習として解くなら問1、問4からがオススメです。
分野: 難問・良問  レベル: 数学オリンピック