2015/01/26

モンティ・ホール問題とその解説

分野: データの分析,確率  レベル: マニアック

条件付き確率に関する超有名な問題です。直感的にすぐ納得できる人もいますが,全く納得できない人も多いのでモンティ・ホールのジレンマと呼ばれることもあります。

モンティ・ホール問題とは

モンティ・ホール問題:
0:三つの扉がある。一つは正解。二つは不正解。
1:挑戦者は三つの中から一つ扉を選ぶ。
2:司会者(モンティ)は答えを知っており,残り二つの扉の中で不正解の扉を一つ選んで開ける。
3:挑戦者は残り二つの扉の中から好きな方を選べる。このとき扉を変えるべきか?変えないべきか?

モンティ・ホール問題を議論するときには正解の扉の後ろには「景品」があり,不正解の扉の後ろには「ヤギ」がいるのが通例ですが,ここでは「正解の扉」「不正解の扉」という言葉を使います。

正しい答えと間違った答え

解答

挑戦者は扉を変えたほうがよい。扉を変えない場合,正解の確率は $\dfrac{1}{3}$ であるが,扉を変えれば正解の確率は $\dfrac{2}{3}$ になるからである。

上記の解答にすぐ納得できる人は問題ないのですが(そのような人にとってはモンティ・ホール問題や,この記事はつまらないかもしれません。しかし,多くの人が陥る誤った考えを知るのも悪くはないと思います),多くの人が以下のように誤った答えを出してしまいます。

(誤った解答)
2が終わった時点で残った扉は二つであり,扉を変えても変えなくても正解の確率は $\dfrac{1}{2}$ であるので扉を変えることによるメリットはない。

実は,僕も最初は「誤った解答」が正しいと思い込んで「解答」を聞いても,なかなか納得できませんでした。じっくり考えて納得できたので「誤った直感」を正すための三つの方法をご紹介します。

モンティ・ホール問題の解答に納得する方法

方法1:表をきちんと書いてみる
扉を $A,B,C$ とします。挑戦者が最初に $A$ を選ぶとしても一般性を失いません。このとき考えられるパターンは全部で四通りです。

モンティ・ホール問題の表

例えば一列目は「正解が $A$ であり司会者が $B$ を選ぶような確率が $\dfrac{1}{6}$ で,そのとき扉を変えると不正解,扉を変えないと正解」であることを表しています。

この表より,
扉を変えたとき正解する確率:$\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{3}=\dfrac{2}{3}$
扉を変えないとき正解する確率:$\dfrac{1}{6}+\dfrac{1}{6}=\dfrac{1}{3}$
となることが納得できます。

方法2:扉を100個にしてみる
扉の数を三つではなく100個に増やすと直感的に納得できる人も多いようです。

モンティ・ホール問題(100個の場合):
0:100個のドアがある。一つは正解。残りは全部不正解。
1:挑戦者は100個の中から一つ扉を選ぶ。
2:司会者は残り99個の扉の中で不正解の扉を98個選んで開ける。
3:挑戦者は残り二つの扉の中から好きな方を選べる。このとき扉を変えるべきか?変えないべきか?

2の部分で「司会者が挑戦者に情報を与えている」というのがポイントです。これはもとの問題とは別の問題ですが,こちらの場合で納得できればもとの問題でも納得できるはずです。

方法3:プログラミングで実験してみる
乱数を使って実際にモンティ・ホール問題を何回も試行してみると,
扉を変えない場合に正解する確率→ほぼ $\dfrac{1}{3}$
扉を変えた場合に正解する確率→ほぼ $\dfrac{2}{3}$
という結果が得られます。

分かる人にとってはなんで分からないのかが分からない。分からない人に取ってはなかなか直感的に納得できない。そんな不思議な問題です。

Tag: 難しめの数学雑学・ネタまとめ

分野: データの分析,確率  レベル: マニアック