2014/06/04

ロピタルの定理の条件と例題

分野: 極限,微分  レベル: 入試対策

ロピタルの定理:
$\displaystyle\lim_{x\to a}$ が不定形で適当な条件を満たせば,
$\displaystyle\lim_{x\to a}\dfrac{f(x)}{g(x)}=\lim_{x\to a}\dfrac{f'(x)}{g'(x)}$


「適当な条件」の部分を厳密に書くとめんどくさいので高校の先生からは嫌われている公式です。そのため,ロピタルの定理を記述式の試験で使うことは推奨されません。

しかし,多くの問題で威力を発揮する強力な検算テクニックになるので覚えておきましょう。

ロピタルの定理が使える例題

入試問題で出現する不定形の極限の問題ならほとんどロピタルの定理が使えます。

例1

$\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{\sin x}{x}=\lim_{x\to 0}\dfrac{\cos x}{1}=1$

$\dfrac{0}{0}$ の不定形なので,分母分子を微分して極限を計算できます。


例2

$\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{x-\sin x}{x^3}=\lim_{x\to 0}\dfrac{1-\cos x}{3x^2}=\lim_{x\to 0}\dfrac{\sin x}{6x}=\dfrac{1}{6}$

同じく $\dfrac{0}{0}$ の不定形です。このようにロピタルの定理を複数回使う場合もあります。


例3

$\displaystyle\lim_{x\to 1}\dfrac{\log x}{x-1}=\lim_{x\to 1}\dfrac{1}{x}=1$

同じく $\dfrac{0}{0}$ の不定形です。 $x→0$ 以外の場合でも使えます。


例4

$\displaystyle\lim_{x\to \infty}\dfrac{x^2}{e^x}=\lim_{x\to \infty}\dfrac{2x}{e^x}=\lim_{x\to\infty}\dfrac{2}{e^x}=0$

ロピタルの定理は $\dfrac{\infty}{\infty}$ の不定形にも使えます。 $x\to\infty$ の場合でも使えます。

ロピタルの定理が使えない例題

例5

$M=\displaystyle\lim_{x\to \infty}\dfrac{x-\cos x}{x}$ は $\dfrac{\infty}{\infty}$ の不定形なのでロピタルの定理を使おうとすると,$\displaystyle\lim_{x\to\infty}\dfrac{1+\sin x}{1}$ となり振動してしまうがはさみうちの原理より $M=1$ である。

このように, $\displaystyle\lim_{x\to a}\dfrac{f'(x)}{g'(x)}$ が存在しない場合はロピタルの定理は使えません。

また,極限の行き先の十分近くで $g'(x)$ が $0$ になってしまう場合(厳密に書くと面倒くさい)もロピタルの定理は使えません。

これら例のように,「本当は解があるのにロピタルの定理を使っても解が求まらない」という場合はありますが,「本当は解がAなのにロピタルの定理を使うと解Bが求まってしまう」というような場合はありません。

つまり,(めったにありませんが)ロピタルの定理が使えない場合は自分で気づくことができるのでロピタルの定理を使って失敗することはありません。

また,同様な極限計算の検算テクニックとして,マクローリン展開を用いて不定形極限を求める方法もあります。

とりあえずロピタルの定理を使って答えを見つけておき,その後正攻法できちんと求める,という手段をとりましょう

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