2016/01/23

レビチビタ記号とその性質

分野: その他  レベル: 大学数学

$i,j,k$ はそれぞれ $1,2,3$ のいずれかとする。このとき,
$\varepsilon_{ijk}=\begin{cases}1&(i,j,k)=(1,2,3),(2,3,1),(3,1,2)\\-1&(i,j,k)=(1,3,2),(2,1,3),(3,2,1)\\0&\mathrm{otherwise}\end{cases}$
となる $\varepsilon_{ijk}$ をレビチビタ記号(エディントンのイプシロン)という。

レビチビタ記号の性質とその証明について。

レビチビタの積の和の公式

$\displaystyle\sum_{j,k}\varepsilon_{ajk}\varepsilon_{bjk}=2\delta_{ab}$
$\displaystyle\sum_{i,j,k}\varepsilon_{ijk}\varepsilon_{ijk}=6$

$\delta_{ab}=\begin{cases}1&a=b\\0&a\neq b\end{cases}$ はクロネッカーのデルタです。

1つ目の式の証明

$a=b=1$ のとき,左辺の和において $0$ でない項は,
$\varepsilon_{123}\varepsilon_{123}$,$\varepsilon_{132}\varepsilon_{132}$
の2つである。これらはいずれも $1$ なので左辺は $2$ となる。

$a=1,b=2$ のとき,左辺の全ての項が $0$ になる。他の場合も同様。

2つ目の式の証明

1つめの式で,$a=b=1$ としたもの,$a=b=2$ としたもの,$a=b=3$ としたものを加えればよい。

ベクトルの外積

$\overrightarrow{a}=(a_1,a_2,a_3)$,$\overrightarrow{b}=(b_1,b_2,b_3)$ に対して,その外積 $\overrightarrow{a}\times \overrightarrow{b}$ の第 $i$ 成分は,$\displaystyle\sum_{j,k}\varepsilon_{ijk}a_jb_k$

外積の定義:
$\overrightarrow{a}\times \overrightarrow{b}=(a_2b_3-a_3b_2,a_3b_1-a_1b_3,a_1b_2-a_2b_1)$
をコンパクトに表現できます。
→内積と外積の意味と嬉しさ

3×3の行列式

$\det\begin{pmatrix}a_{11}&a_{12}&a_{13}\\a_{21}&a_{22}&a_{23}\\a_{31}&a_{32}&a_{33}\end{pmatrix}
=\displaystyle\sum_{i,j,k}\varepsilon_{ijk}a_{i1}a_{j2}a_{k3}=\sum_{i,j,k}\varepsilon_{ijk}a_{1i}a_{2j}a_{3k}$

これは,置換による行列式の定義(および $\det A=\det A^{\top}$ であること)から分かります。
→行列式の3つの定義と意味
→サラスの公式

レビチビタ記号を使えばコンパクトに表現できます。

添え字の数が3つの場合を紹介しましたが,添え字の数は一般の $n$ に拡張できます。
分野: その他  レベル: 大学数学