2015/02/23

球面の方程式のいろいろな表現と具体例

分野: 座標,ベクトル  レベル: 入試対策

球面の方程式を空間座標,ベクトル,極座標といった様々な方法で表します。球面の方程式に関する公式総まとめ。

空間座標

$xyz$ 座標空間における球面の方程式です。

1.中心$(a,b,c)$,半径 $r$ の球面の方程式は,
$(x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2=r^2$

原点中心で半径 $1$ の球面の方程式は $x^2+y^2+z^2=1$

標準形

次に,上の表現を展開した形:$x^2+y^2+z^2+Ax+By+Cz+D=0$ という形の式について考えます。これを変形(平方完成)すると,
$(x+\dfrac{A}{2})^2+(y+\dfrac{B}{2})^2+(z+\dfrac{C}{2})^2=\dfrac{A^2+B^2+C^2-4D}{4}$ となることから以下が分かります。

2. $x^2+y^2+z^2+Ax+By+Cz+D=0$ という方程式は $\dfrac{A^2+B^2+C^2-4D}{4}=R$ とおくと,

  • $R > 0$ のとき,中心$(-\dfrac{A}{2},-\dfrac{B}{2},-\dfrac{C}{2})$,半径 $\sqrt{R}$ の球を表す。
  • $R=0$ のとき,一点$(-\dfrac{A}{2},-\dfrac{B}{2},-\dfrac{C}{2})$ を表す(球がつぶれたものともみなせる)。
  • $R <0$ のとき,方程式を満たす点は存在しない。

この形の方程式を球の方程式の標準形と言うことがあります。なお,毎回平方完成すればよいのでこの公式を覚える必要はありません。

$x^2-2x+y^2-4y+z^2=4$ は,$(x-1)^2+(y-2)^2+z^2=9$ と変形できるので,中心$(1,2,0)$,半径 $3$ の球面を表す。

なお,球の方程式の標準形にはパラメータが4つ($A,B,C,D$)あるので,(一般の位置にある)四点が与えられたらそれらを通る球が一意に定まることが分かります。

ベクトル

点 $P(\overrightarrow{p})$ が球面上にある条件を,ベクトルを用いて表現することもできます。

3.中心 $\overrightarrow{a}$,半径 $r$ の球面を表すベクトル方程式は, $|\overrightarrow{p}-\overrightarrow{a}|=r$

表現が簡潔ですが,結局実際の計算をするときは両辺二乗して公式1に帰着させることになるので,あまり受験で活躍するような式ではありません。

直径の両端が分かっている場合

ベクトルを用いた球面の方程式の別の表現方法です。

点 $P$ が線分 $AB$ が直径となるような球面上にある
$\iff \angle APB=90^{\circ}$

であることに注意すると,以下のような表現方法もできます。

4.線分 $AB$ が直径となるような球面の方程式は,$A(\overrightarrow{a}),B(\overrightarrow{b})$ として
$(\overrightarrow{p}-\overrightarrow{a})\cdot (\overrightarrow{p}-\overrightarrow{b})=0$

なお,線分 $AB$ が直径となるような球は,中心が $\dfrac{\overrightarrow{a}+\overrightarrow{b}}{2}$,半径が $\left|\dfrac{\overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}}{2}\right|$ なので表現3を使うと $\left|\overrightarrow{p}-\dfrac{\overrightarrow{a}+\overrightarrow{b}}{2}\right|=\left|\dfrac{\overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}}{2}\right|$
と書けます。この両辺を二乗して整理すると表現4と一致することが分かります。

極座標による媒介変数表示

おまけです。高校数学では習いませんが,三次元極座標(球座標)を用いて表現することもできます。

5.原点中心で半径が $r$ であるような球面は,媒介変数 $\theta,\phi$(ただし,$0\leq \theta \leq \pi\:0\leq\phi <2\pi$)を用いて以下のように表せる:
$x=r\cos\theta\cos\phi$
$y=r\cos\theta\sin\phi$
$z=r\sin\theta$

確かに $x^2+y^2+z^2=r^2$ となっていることが確認できます。

高校数学の教科書には本質的に同じ公式がいろいろな表現で(あたかも全く別の新しい公式かのように)登場してくるケースがけっこうあります。

Tag: 数学Bの教科書に載っている公式の解説一覧

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