2015/07/20

極大値,極小値の意味と注意点

分野: 極限,微分  レベル: 基本公式

極大,極小について,きちんとした定義,微分可能な場合の判定条件,および極値の求め方について解説します。

極大,最大,極小,最小

まずは,極大,最大,極小,最小の大雑把な意味およびきちんとした定義を解説します。

・ $f(x)$ が $x=a$ で極大:
意味:十分近くでは一番大きい(局所的な性質)
定義:ある正の実数 $\varepsilon$ が存在して「 $|x-a|<\varepsilon$ なら $f(x)\leq f(a)$ 」が成立する。 $f(a)$ を極大値と言う。

極大値と最大値

・ $f(x)$ が $x=a$ で最大:
意味:全体の中で一番大きい(大域的な性質)
定義:定義域内の任意の実数 $x$ に対して $f(x)\leq f(a)$
$f(a)$ を最大値と言う。

・ $f(x)$ が $x=a$ で極小:
意味:十分近くでは一番小さい(局所的な性質)
定義:ある正の実数 $\varepsilon$ が存在して「 $|x-a|<\varepsilon$ なら $f(x)\geq f(a)$ 」が成立する。 $f(a)$ を極小値と言う。 ・ $f(x)$ が $x=a$ で最小:
意味:全体の中で一番小さい(大域的な性質)
定義:定義域内の任意の実数 $x$ に対して $f(x)\geq f(a)$
$f(a)$ を最小値と言う。

補足,注意点

  • 極小値,極大値を合わせて極値と言います。
  • 最大(世界で一番大きい)なら極大(近所でも一番大きい),最小なら極小ですが,逆は成り立つとは限りません。
    極値の注意点
  • 「微分が−から+に変わるところが極小」という覚え方をしている人がいますが,それは微分可能な場合の話です(後述)。一般的な定義だと思ってはいけません。例えば極端な例ですが,図のような関数は $x=0$ で微分が−から+に変わりますが極大です。

微分可能な場合の極値の条件

$f(x)$ が微分可能な場合,導関数を見ることで極大,極小を判定できます。

$f(x)$ が微分可能な場合,
1. $f(x)$ が $x=a$ で極大または極小 $\Rightarrow f'(a)=0$
2.1の逆は成立するとは限らない
3. $f'(x)$ が正から負に切り替わるなら極大点,
$f'(x)$ が負から正に切り替わるなら極小点

(1の説明その1)
山の頂上では接線の傾きは $0$ なので,極大なら $f'(a)=0$ 。極小も同様。

(1の説明その2)
$x=a$ の十分近くでは $f(x)\simeq f(a)+(x-a)f'(a)$ と一次近似できる(一次近似の意味とよく使う近似公式一覧)。また,$x=a$ で極大なら十分小さい $\varepsilon > 0$ に対して $f(a+\varepsilon)\leq f(a),f(a-\varepsilon)\leq f(a)$
つまり $\varepsilon f'(a)\leq 0$ かつ$-\varepsilon f'(a)\leq 0$
よって $f'(a)\leq 0$ かつ $f'(a)\geq 0$ つまり $f'(a)=0$

(2の説明)
$f(x)=x^3$ という関数を考える。 $f'(x)=3x^2$,$f'(0)=0$ である。しかし,$f(0)$ は極大値でも極小値でもない($x > 0$ では $f(x) > 0$,$x <0$ では $f(x) <0$)。

(3の説明その1)
接線の傾きが正から負に変わる $\to$ 上り坂から下り坂に変わる $\to$ 極大点

(3の説明その2)
1の説明その2と同じく一次近似の考え方からも説明できる。

なお,多変数関数の場合はややこしくなります。→多変数関数の極値判定とヘッセ行列

具体例(三次関数)

実際に極値を求めてみましょう。

例題

$f(x)=x^3-3x$ の極値を求めよ。

解答

$f'(x)=3x^2-3$
$f'(x)=0$ を解くと $x=\pm 1$ となる。これは極値を取るための必要条件。

  • $x=-1$ では微分係数が+から−に変わるので極大。極大値は $f(-1)=2$
  • $x=1$ では微分係数が−から+に変わるので極小。極小値は $f(1)=-2$
微分は一次近似である,ということを教科書でもう少し強調して欲しいですね。

Tag: 数学2の教科書に載っている公式の解説一覧

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