2014/11/21

組立除法のやり方と例題3問

分野: 式の計算  レベル: 基本公式

組立除法:多項式 $f(x)$ を一次式$(x-p)$ で割った商と余りを求めるのは組立除法を用いると非常に速い。

組立除法のやり方,原理(正しさの証明),例題を解説します。

注:係数比較を暗算でできる人はわざわざ組立除法を覚える必要はありません。

組立除法のやり方

割られる多項式 $f(x)$ が三次式の場合を考えます。一般の場合も全く同じです。 $f(x)=a_3x^3+a_2x^2+a_1x+a_0$ とおきます。

組立除法のやり方

組立除法のやり方

1:$f(x)$ の係数を順番に並べる,割る式の零点 $p$ を右上に書く。
2:左下の丸から順々に丸を埋めていく。下に行くときは縦に足す,右上に行くときは $p$ 倍する。
3:三行目に出てきた結果を書き下す。

これだけでは分かりにくいと思うので具体例でやってみます。

例題1

$f(x)=x^3+4x^2-3x+5$ を $x-2$ で割った商と余りを求めよ。

組立除法の例題

解答

1:$1,4,-3,5$ を順々に並べる。 $2$ を右上に書く。
2:左下の丸から順々に丸を埋めていく。下に行くときは縦に足す,右上に行くときは $2$ 倍する。
3:三行目に並んだものの右端が余り,それ以外が商。
つまり,商は $x^2+6x+9$,余りは $23$ である。


・3の補足:一般に $n$ 次式を一次式で割った商は $n-1$ 次式,余りは0次式(定数)になるので,三行目の右端の数字が余りに,それ以外の数字が $n-1$ 次式の商に対応します。

・実際に使うときは丸や矢印を書く必要はありません。組立除法に慣れたら筆算より圧倒的に速いです。

組立除法の例題

組立除法を使う例題をさらに2問解説します。例題で慣れて下さい!


例題2

$x^4+\dfrac{1}{2}$ を $x+2$ で割った商と余りを求めよ。

組立除法の問題

解答

1:係数 $1,0,0,0,\dfrac{1}{2}$ を並べる,$-2$ を右上に書く。
2:丸を埋める
3:商は $x^3-2x^2+4{x}-8$,余りは $\dfrac{33}{2}$ である。


  • このように三次式でなくても使える。
  • 割られる式や割る式が分数でも使える。
  • 割られる式に係数 $0$ の項がある場合は何も書かないのではなく $0$ を書くことに注意。

例題3

$x^2$ を $2{x}-1$ で割り算せよ。

割る式が $x-p$ 型でないと直接組立除法は使えないので,まずは $x-\dfrac{1}{2}$ で割り算してからあとで $2$ 倍する。

解答

$x^2$ と $x-\dfrac{1}{2}$ に対して組立除法を実行すると,商は $x+\dfrac{1}{2}$,余りは $\dfrac{1}{4}$ と分かる(実際に手を動かしてやってみてください!)。つまり,$x^2=(x-\dfrac{1}{2})(x+\dfrac{1}{2})+\dfrac{1}{4}$ 。これを変形して $2{x}-1$ を作り出す(割る式を二倍すると商は $\dfrac{1}{2}$ 倍される)
$x^2=(2{x}-1)(\dfrac{1}{2}x+\dfrac{1}{4})+\dfrac{1}{4}$
よって,商は $\dfrac{1}{2}x+\dfrac{1}{4}$,余りは $\dfrac{1}{4}$ 。


・例題3のように割る式の一次の係数が $1$ でなくても(手間は少し増えるが)使える。つまり,組立除法は任意の一次式 $ax+b$ で割る場合に使える。

組立除法の原理

最後に組立除法の原理(正しさの証明)をしておきます。割る式が一般の $n$ 次式でも全く同様ですが,ここでは三次式の場合に証明します。

証明

$f(x)$ を$(x-p)$ で割った正しい商を $b_2x^2+b_1x+b_0$,余りを $r$ とおく。つまり,
$a_3x^3+a_2x^2+a_1x+a_0=(x-p)(b_2x^2+b_1x+b_0)+r$ が成立している。
これは右辺を展開すると,
$b_2x^3+(b_1-b_2p)x^2+(b_0-b_1p)x+r-b_0p$
よって,係数比較すると,
$a_3=b_2,\:a_2=b_1-b_2p,$ $a_1=b_0-b_1p,\:a_0=r-b_0p$

組立除法の証明

さらに移項すると,
$a_3=b_2,\:a_2+b_2p=b_1,$ $a_1+b_1p=b_0,\:a_0+b_0p=r$ が成立している。

実際,組立除法によって得られた $b_2,b_1,b_0,r$ は上の4つの式を満たしていることが簡単に確認できる。

試験では組立除法を使って計算した上で,割り算した後の式を展開してちゃんと元に戻るか検算しましょう。

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