2015/12/22

開平法のやり方と原理

分野: 式の計算  レベル: 入試対策

筆算を用いてルートを計算する方法を解説します。

なお,筆算を用いない方法もあります。→ルートの近似値を計算する素朴な方法とコツ

開平法のやり方と具体例

$\sqrt{54321}$ の近似値を求めるという例を通じて開平法を解説します。難しいのは手順4だけです。

開平法の例
  1. まず $\sqrt{54321}$ と右側に書く。小数点を基準に2桁ずつ区切っていく。
  2. 二乗して「右側の最も左のブロック(この例だと $5$)」以下となるような最大の整数(この場合 $2$)を求める。その数を右側に1箇所,左側に2箇所書く。また,計算結果(この場合 $2^2=4$)を右側に書く。
  3. 左側は足し算,右側は引き算。
  4. 左側の数(この場合 $4$)の末尾に $N$ をくっつけたもの $\times N$ が右側の次のブロックまで取ったもの(この場合 $143$)以下となるような最大の整数を求める。その数を右側に1箇所,左側に2箇所書く。この場合,$43\times 3=129$ であり,$3$ が該当する。また,その計算結果(この場合 $129$)を右側に書く。
  5. 以下,3と4を必要なだけ繰り返す。

$\sqrt{54321}$ の近似値が $233$ と求まりました。実際,$233^2=54289$ です。

小数点以下

開平法の例2

小数点以下も同様に計算できます。

ルート2の近似値計算を筆算で行った例を図に示します。

$\sqrt{2}=\sqrt{2.0000\cdots}$ と見て,小数点を基準に2桁ずつ区切っていきます。

$\sqrt{2}$ の近似値が $1.414$ と求まりました。計算結果の小数点の位置にも注意してください。

開平法の原理

開平法で何をやっているのか,大雑把に説明します。証明というほどたいそうなものではありませんが,雰囲気はつかめると思います。

$\sqrt{x}$ の近似値を開平法で求めたいとします。

原理

まず,手順1と手順2で $\sqrt{x}$ の上1桁を計算している。 $x$ の桁数が(小数点を基準にして)偶数なのか奇数なのかによって挙動が変わることに注意。

そして「 $\sqrt{x}$ はだいたい $a$ 」という下からの評価が得られる。
(上の例だと,$\sqrt{54321}$ はだいたい $200$,$\sqrt{2}$ はだいたい $1$ という評価)
しかし,本当は $\sqrt{x}=a+\varepsilon$ であるとする。 $\varepsilon$ を求めたい。

上式を変形すると,$x-a^2=\varepsilon(2a+\varepsilon)$
よって,$b(2a+b)$ が $x-a^2$ をこえないようなもの $b$ を使って,評価を「 $\sqrt{x}$ はだいたい $a+b$ 」と更新する(上の例だと,$\sqrt{54321}$ はだいたい $230$,$\sqrt{2}$ はだいたい $1.4$ という評価)。手順3、4における左側の数字が $b(2a+b)$,右側の数字が $x-a^2$ に対応している。

改めて,本当は $\sqrt{x}=a+b+\varepsilon$ であるとする。 $\varepsilon$ を求めたい。
上式を変形すると,$x-(a+b)^2=\varepsilon\{2(a+b)+\varepsilon\}$
よって,$c\{2(a+b)+c\}$ が $x-(a+b)^2$ をこえないようなもの $c$ を使って,評価を「 $\sqrt{x}$ はだいたい $a+b+c$ 」と更新する。

これを繰り返す。

図がカラーであることの強みを発揮できた記事だと思います。
分野: 式の計算  レベル: 入試対策