2015/11/09

循環小数を分数で表す方法など

分野: 式の計算  レベル: 基本公式

任意の実数 $r$ について,
$r$ が循環小数で表せる $\iff$ $r$ は有理数(分数で表せる)

循環小数とは

ある桁から同じ数字の列がひたすら繰り返されるような小数を循環小数と言います。繰り返す最初と最後の桁の上に点をつけて表現します。

$5.\dot{2}14\dot{3}=5.2143214321432143\cdots$
$3.92\dot{5}\dot{6}=3.9256565656\cdots$

同じ数字を繰り返す場合は最初の桁と最後の桁は一致するので点は1つです。

$0.\dot{2}=0.22222\cdots$
$1.11\dot{5}=1.1155555\cdots$

循環の1周期を循環節と言います。例えば $0.\dot{2}14\dot{3}$ の循環節は $2143$ です。

循環小数を分数で表す方法

循環小数 $r$ が与えられたときに,$10^{k}$ 倍($k$ は循環節の桁数)して差をつくることで $r$ を分数で表すことができます。

例題

$0.\dot{2}$ および $5.\dot{2}14\dot{3}$ を分数で表わせ。

解答

$r=0.222222\cdots$ の循環節は $2$(1桁)なので $10$ 倍すると,
$10r=2.222222\cdots$
この2つの式について辺々差を取ると,
$9r=2$
よって,$r=\dfrac{2}{9}$

$r=5.214321432143\cdots$ の循環節は $2143$(4桁)なので $10000$ 倍すると,
$10000r=52143.214321432143\cdots$
この2つの式について辺々差を取ると,
$9999r=52138$
よって,$r=\dfrac{52138}{9999}$

この方法で任意の循環小数は分数で表現できるので,循環小数で表現できる数は有理数であることが分かります。

循環小数を分数で表す方法2

数3の内容ですが,循環小数を無限等比級数とみなすことでも計算できます(無限等比級数の公式の証明でどちみち同じ計算をするので,本質的に別の方法という訳ではないが)。→無限等比級数の収束,発散の条件と証明など

先ほどの例題の別解

$r=0.222\cdots=0.2+0.02+0.002+\cdots$
は初項 $0.2$,公比 $0.1$ の無限等比級数なので,
$r=\dfrac{0.2}{1-0.1}=\dfrac{2}{9}$

$r=5.214321432143\\
=5+(0.2143+0.00002143+0.000000002143+\cdots)$
のカッコの中身は初項 $0.2143$,公比 $0.0001$ の無限等比級数なので,
$r=5+\dfrac{0.2143}{1-0.0001}=5+\dfrac{2143}{9999}=\dfrac{52138}{9999}$

有理数を循環小数で表す方法

任意の有理数は割り算を実行することで,循環小数の形で表現できます。割り算の筆算を考えてみると,計算が有限回で終わるか,同じ操作を途中から繰り返すことになるからです。

例題

$\dfrac{2}{9}$,$\dfrac{8}{5}$ をそれぞれ循環小数で表わせ。

解答

$2\div 9$ を実際に筆算で計算すると,$0.222222\cdots$ となることが分かる。

$8\div 5$ を実際に筆算で計算すると $1.6$ となることが分かる。これは有限小数だが,$1.6\dot{0}$ とみなすこともできるし,$1.5\dot{9}$ とみなすこともできる。

小学生のころ $1=0.999999\cdots$ という式を見て全然納得できなかった思い出があります。
分野: 式の計算  レベル: 基本公式