2015/02/12

楕円,放物線,双曲線の準円

分野: 二次曲線  レベル: 最難関大学

二次曲線の準円

二次曲線に対して,二本の直交する接線が引けるような点の軌跡は円である。これを二次曲線の準円と言う。

楕円の準円が最も有名ですが,放物線,双曲線に関しても同様の定理が成立します。

楕円の準円

まずは楕円についてです。

楕円:$\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$ に対して二本の直交する接線が引けるような点の軌跡は円:$x^2+y^2=a^2+b^2$ である。

$a^2=17,b^2=8$ の場合が東工大で出題されています。

証明は簡単そうでけっこう難しいです。楕円の接線は扱いにくいので,楕円を $x$ 軸,または $y$ 軸方向に拡大(縮小)すると円になるという性質を使うことで円の接線の話にします。

証明

$P(p,q)$ から楕円に引いた接線の方程式を $l:y=m(x-p)+q$ とおく。
(なお,$y$ 軸と平行な接線が登場する場合,求める軌跡上の $P$ は$(\pm a,\pm b)$ であり $x^2+y^2=a^2+b^2$ 上にあるので,以下では接線の傾きが存在する場合を考える)

楕円の準円の証明

まず,接線であるために $m$ が満たすべき条件を求める。
図形全体を $y$ 軸方向に $\dfrac{a}{b}$ 倍に拡大すると,
楕円→円 $x^2+y^2=a^2$
直線 $l$ →直線 $m:y=\dfrac{a}{b}m(x-p)+\dfrac{a}{b}q$

となる。よって,$l$ が楕円に接する $\iff m$ が円に接する
$\iff m$ と原点の距離が $a$
$\iff \dfrac{|\frac{a}{b}(q-mp)|}{\sqrt{1+(\frac{am}{b})^2}}=a$
$\iff (q-mp)^2=b^2+(am)^2$
$\iff (p^2-a^2)m^2-2pqm+q^2-b^2=0$

よって,$(p,q)$ から引いた接線の傾きは上記の($m$ についての)二次方程式の解である。 $P$ から楕円に引いた二本の接線が直交(つまり傾きの積が$-1$)する条件は,解と係数の関係より
$\dfrac{q^2-b^2}{p^2-a^2}=-1$

すなわち求める軌跡は $x^2+y^2=a^2+b^2$
である。

放物線の準円

放物線の場合に二接線が直交するような点の軌跡は,なんと放物線の準線と一致します。(準線については→放物線の準線・焦点と一般化

計算は楕円の場合よりも楽なので練習がてらやってみてください!

なお,直線は半径無限大の円とみなすことができるので「放物線にもある意味で準円が存在する」言うことができます。

双曲線の準円

双曲線の準円

双曲線の場合も様子は似ていますが,注意すべきことがいくつかあります。計算は楕円の場合よりめんどくさい(拡大,縮小して円にするテクニックが使えない)ので結果のみ記します。

(図の赤い円が準円,軌跡としては漸近線上の四点は除かれる)

双曲線の準円:
双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$ に引いた二本の接線が直交するような点の軌跡は,
1:$a^2 > b^2$ のとき,円 $x^2+y^2=a^2-b^2$ から漸近線上の四点を除いたもの
2:$a^2\leq b^2$ のとき,そのような点は存在しない

  • 双曲線の漸近線上に点 $P$ があるときはそもそも接線が二本引けません。
  • $a^2\leq b^2$ のときは漸近線の傾きの絶対値が $1$ 以上になります(双曲線がつぶれる)。このとき,二本の直交する接線が引けるような点 $P$ は存在しません。
二本の接線が直交する点の軌跡が円になるのは全然自明でなく,非常に面白い性質です。
分野: 二次曲線  レベル: 最難関大学