2014/02/05

積分速度を上げる公式

分野: 積分  レベル: 基本公式

積分速度を上げる小技を紹介します。

$\displaystyle\int (x-a)^tdx=\dfrac{1}{t+1}(x-a)^{t+1}+C \hspace{10mm} (t\neq -1)$


上記の公式は $t$ が整数でないときも一般的に成立することに注意してください。
ちなみに,右辺を合成関数の微分公式を用いて微分してやればこの公式が正しいことが示せます。

この公式自体は教科書レベルですが,様々な場面で活躍します。
本記事ではその活躍の一例として,累乗根の中身に1次式があるときの積分を取り上げます。

累乗根の中身に1次式がある場合の積分

例題1

$\displaystyle\int \sqrt{x+1}(x+2)dx$

ルートの中身 $x+1$ を $y$ とおいて置換積分することができますが,以下のように平行移動を用いて $x$ ではなく$(x+1)$ を基準にして解いたほうが少し早いです。

解答

$\displaystyle\int \sqrt{x+1}(x+2)dx\\\\
=\displaystyle\int \sqrt{x+1}\{(x+1)+1\}dx\\\\
=\displaystyle\int\left\{(x+1)^{\frac{3}{2}}+(x+1)^{\frac{1}{2}}\right\}dx\\\\
=\frac{2}{5}(x+1)^{\frac{5}{2}}+\frac{2}{3}(x+1)^{\frac{3}{2}}+C
$

公式は最後の行で使っています。1行目から2行目への変形がポイントです。
やっていることは置換積分と本質的に変わりませんが,置換作業が必要ないのでこちらの解法の方が計算ミスをしにくいし,時間短縮にもなります。

置換積分,部分積分は高校数学の中でも最も計算ミスが多発するポイントなので,公式を駆使してできるだけ計算を単純化しましょう。

ちなみに,1次の項の係数が1でない以下のような問題にも対応することができます。

例題2

$\displaystyle\int \sqrt[3]{{2}x-4}(3x+1)dx$

解答

$\displaystyle\int \sqrt[3]{2 x-4}(3x+1)dx\\
=\sqrt[3]{2}\cdot 3\displaystyle\int \sqrt[3]{x-2}(x+\frac{1}{3})dx\\
=\sqrt[3]{2}\cdot 3\displaystyle\int \sqrt[3]{x-2}\{(x-2)+\frac{7}{3}\}dx\\
=\sqrt[3]{2}\cdot 3\displaystyle\int \left\{(x-2)^{\frac{4}{3}}+\frac{7}{3}(x-2)^{\frac{1}{3}}\right\}dx\\
=\sqrt[3]{2}\cdot 3\{\frac{3}{7}(x-2)^{\frac{7}{3}}+\frac{7}{4}(x-2)^{\frac{4}{3}}\}+C\\
=\sqrt[3]{2}\{\frac{9}{7}(x-2)^{\frac{7}{3}}+\frac{21}{4}(x-2)^{\frac{4}{3}}\}+C$

1行目から2行目の変形で1次の項の係数が1になるようにくくり出しているのがポイントです。

慣れれば置換積分を行うよりもかなりスピードアップするので置換積分を用いないこの方法を使いこなせるようになりましょう。


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