2014/02/13

シュワルツの不等式の積分形

分野: 積分  レベル: 最難関大学

高校数学でよく登場するシュワルツの不等式(数列版)は以下のようなものでした:

${\displaystyle(\sum_{i=1}^n a_i^2)}{\displaystyle(\sum_{i=1}^n b_i^2)}\geq{\displaystyle(\sum_{i=1}^n a_ib_i)^2}\\$

等号成立条件は $a_1:a_2:\cdots:a_n=b_1:b_2:\cdots:b_n$

実はシュワルツの不等式はベクトルのノルムと内積という概念を用いてより一般的な形で書かれており,上記のシュワルツの不等式は一般的なシュワルツの不等式を数列空間に適応したもの(数列版)です。

ここでは,一般的なシュワルツの不等式を関数空間に適応することにより得られる積分版のシュワルツの不等式を紹介します。

シュワルツの不等式(積分形)

任意の関数 $f, g$ と任意の区間 $[a,b]$ に対して以下の不等式が成立する:
$(\int_a^b f(x)^2dx)(\int_a^b g(x)^2dx)\geq (\int_a^b f(x)g(x)dx)^2$
等号成立条件は  $g(x)=tf(x)$ となる $t$ が存在する(または $f=0$)こと。

数列版と似た形をしています。積分版の証明は数列版と全く同様にできます。つまり,$t$ に関する二次方程式 $\displaystyle\int_a^b(g(x)-tf(x))^2dx=0$ の判別式が $0$ 以下になることから導出されます。

数列版ほど有名でないため,積分版のシュワルツの不等式を用いて他の不等式を導く問題は入試問題ではほとんど見かけませんが,積分版のシュワルツの不等式を背景とする問題はたまに出題されます。また,不等式自体が美しいので覚えていて損はないと思います。

大学で抽象的な数学を理解すれば積分と数列が同じものに観えるようになる
分野: 積分  レベル: 最難関大学