2014/04/15

sinのn乗,cosのn乗の積分公式

分野: 積分  レベル: 最難関大学

$\sin^n x, \cos^n x$ の定積分は部分積分と漸化式を使って求めることができる。


$n$ 乗の積分を求める際に部分積分を用いて漸化式を導く方法は頻出です。実際に定積分を求める解法を説明します。
また定積分を求める過程で三角関数の積分に関する一般的な公式($\sin$ と $\cos$ の対称性)について説明します。

sinのn乗の積分

実際に部分積分と漸化式を用いて,$I_n=\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^nxdx$ を求めてみます。初期条件として $I_0=\dfrac{\pi}{2}$ と $I_1=1$ を用います。

$I_n=\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin x\sin^{n-1}xdx\\
=[-\cos x\sin^{n-1}x]_0^{\frac{\pi}{2}}+(n-1)\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^{n-2}x\cos^2xdx\\
=(n-1)\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^{n-2}x(1-\sin^2x)dx\\
=-(n-1)I_n+(n-1)I_{n-2}$
よって,以下の漸化式が成立する:
$I_n=\dfrac{n-1}{n}I_{n-2}$
よって,$n$ が奇数のとき,
$I_n=\dfrac{n-1}{n}I_{n-2}\\
=\dfrac{n-1}{n}\dfrac{n-3}{n-2}I_{n-4}\\
=\cdots=\dfrac{(n-1)!!}{n!!}I_1\\
=\dfrac{(n-1)!!}{n!!}$
同様に,$n$ が偶数のとき,
$I_n=\dfrac{n-1}{n}I_{n-2}\\
=\dfrac{n-1}{n}\dfrac{n-3}{n-2}I_{n-4}\\
=\cdots=\dfrac{(n-1)!!}{n!!}I_0\\
=\dfrac{\pi}{2}\dfrac{(n-1)!!}{n!!}$

ここで,$n!!$ は1個飛ばしの階乗を表します(二重階乗と言います)。
例えば $4!!=4\cdot 2=8$,や,$5!!=5\cdot 3\cdot 1=15$ などです。

対称性を利用したcosのn乗の積分

「 $\sin$ の積分ができれば $\cos$ の積分もできる」というのが積分の大事な鉄則の一つです。 $\sin$ の積分と $\cos$ の積分がどのように対応しているかは定積分の範囲によるので,そのつど図を書いてみると分かりやすいです。

積分におけるsinとcosの対称性

この場合は定積分の範囲が $0$ から $\dfrac{\pi}{2}$ までで,$\cos(\dfrac{\pi}{2}-x)=\sin x$ が成立するので一般的に,
$\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}}f(\cos x)dx=\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}}f(\sin x)dx$
が成立します。よって,$\cos$ のn乗の積分は $\sin$ の $n$ 乗の積分と同じです。

以上の結果をまとめると以下のようになります:

$n$ が奇数のとき,
$\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^nxdx=\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}}\cos^nxdx
=\dfrac{(n-1)!!}{n!!}$
$n$ が偶数のとき,
$\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^nxdx=\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}}\cos^nxdx=\dfrac{\pi}{2}\dfrac{(n-1)!!}{n!!}$

ちなみに,定積分の範囲を変えた問題も出題されますが,本質的には上記の積分と同じです。全て上記と同様に部分積分と漸化式のテクニックで対応することができます。

重要なのは上記の公式を覚えることよりも,$\sin^n x, \cos^n x$ の定積分は部分積分と漸化式を使って求めることができる,と理解しておくことです。
ちなみに,$\tan^{2n} x$ の定積分も漸化式を使って求めることができます。→グレゴリーライプニッツ級数の2通りの証明

サインとコサインの積分は同じ方法でできる!

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