2014/04/16

内接球の半径を求める一般的な公式

分野: 空間図形  レベル: 最難関大学

四面体において内接球の半径を $r$,表面積を $S$,体積を $V$ とおくと,
$V=\dfrac{1}{3}rS$


内接円の半径 $r$ と三角形の面積 $S$ の関係式 $S=\dfrac{1}{2}r(a+b+c)$ の3次元バージョンです。

内接球の半径,表面積,体積のうち2つ分かれば残りの1つも分かるという公式ですが,ほとんどの場合表面積と体積から内接球の半径を求めることになります。

内接球の半径を求める公式の導出

以下,三角形 $BCI$ の面積を $|BCI|$ と表し,四面体 $ABCI$ の体積を $|ABCI|$ と表します。

内接球の半径と面積の関係

まず,2次元の場合の公式 $S=\dfrac{1}{2}r(a+b+c)$ の導出方法を思い出してみます。内接球の中心 $I$ から各頂点に線分を引いて三角形を3つの小さな三角形に分割して面積を求めます。

$S=|BCI|+|CAI|+|ABI|\\
=\dfrac{1}{2}ar+\dfrac{1}{2}br+\dfrac{1}{2}cr\\
=\dfrac{1}{2}r(a+b+c)$

これと全く同じことが3次元の場合にも通用します,任意の四面体 $ABCD$ について考えます。内接球の中心 $I$ から各頂点に線分を引いて四面体を4つの小さな四面体に分割して体積を求めます。

$V=|ABCI|+|BCDI|+|CDAI|+|DABI|\\
=\dfrac{1}{3}r|ABC|+\dfrac{1}{3}r|BCD|+\dfrac{1}{3}r|CDA|+\dfrac{1}{3}r|DAB|\\
=\dfrac{1}{3}rS$

ちなみに,証明方法から分かるように,この公式は内接球が存在する任意の凸多面体で成立するので,四面体でなくても正多面体などの対称性の高い凸多面体には応用できます。
注:面の数が4の場合は必ず内接球が存在するのですが,面の数が5以上になると一般的に内接球は存在しません。(全ての面から等しい距離にある点は一般的に存在しない)

正四面体の内接球の半径

この公式の応用例として,1辺が $a$ の正四面体の内接球の半径を求めてみます。入試問題で頻出です。
正四面体の表面積及び体積は公式として覚えておくとよいでしょう。
→正三角形の面積,正四面体の体積

正四面体の表面積は $S=\dfrac{\sqrt{3}}{4}a^2\cdot 4=\sqrt{3}a^2$
正四面体の体積は,$V=\dfrac{\sqrt{2}}{12}a^3$ なので,内接球の公式から
$\dfrac{\sqrt{2}}{12}a^3=\dfrac{1}{3}\cdot\sqrt{3}a^2\cdot r$
これを $r$ について解く:
$r=\dfrac{\sqrt{6}}{12}a$

一般の四面体,正八面体,正二十面体なども全く同様にして内接球の半径を求めることができます。(ただし,表面積や体積をを求めるのが少し大変になります)

内接球の公式の観察と注意

  • 対称性の高い凸多面体の一種の極限として球が考えられますが,球の表面積 $S=4\pi r^2$ と,球の体積 $V=\dfrac{4}{3}\pi r^3$ についても関係式 $V=\dfrac{1}{3}rS$ が成立していることが分かります。
  • この公式においての $S$ は多面体の表面積です。たまに誤って $S$ を多面体の1つの面の面積としてしまう場合があるので注意してください。
これで球の表面積と体積の公式がごっちゃになっても安心です!
分野: 空間図形  レベル: 最難関大学