最終更新:2018/05/07

複利法の意味と計算方法,具体例

分野: 数列  レベル: 入試対策

複利計算の公式
複利法の計算において $b=a(1+r)^n$ が成立する。

ただし,$a$ は元金,$r$ は年利率,$n$ は年数,$b$ は $n$ 年経過時の金額です。

この記事では,複利計算について,上記の公式の意味と具体的な計算例を3つ解説します。複利計算は,数学Bの教科書にも参考として取り上げられていたテーマです。

元金,運用期間,利息,将来価値

複利法の意味を解説する前に,記号の準備です。

単利法,複利法といった利息について考えるときの登場人物は以下の4つです。分野,問題,状況によっていろいろな表現が使われるので注意が必要です。

利息計算に使う数字のいろいろな表現

$a$:元金,元本,初期段階で持っている金額,現在価値(PV)
$r$:利息率,年利率,運用利率,利回り
$n$:考える期間(単位は「年」とすることが多い),運用期間
$b$:最終段階で持っている金額,将来価値(FV)

複利法とは

複利法とは毎年利子を元金に繰入れる方式です。緑色の部分がポイントです。

  • 初期状態:
    元金 $a$
  • 1年経過時の金額:
    「元金+この1年で増えた利子のぶん」で,$a+ar=a(1+r)$
  • 2年経過時の金額:
    「1年経過時の金額+この1年で増えた利子のぶん」で,
    $a(1+r)+$ $a(1+r)r$ $=a(1+r)^2$
  • 3年経過時の金額:
    「2年経過時の金額+この1年で増えた利子のぶん」で,
    $a(1+r)^2+$ $a(1+r)^2r$ $=a(1+r)^3$

同様に考えることで,$n$ 年後の金額は, $b=a(1+r)^n$
($n$ に関する等比数列)

複利計算の例1:将来価値の計算

一つの公式 $b=a(1+r)^n$ を覚えておくだけで $a,r,n,b$ のうち3つ分かれば残りの一つも分かるというのが重要です。以下,複利法の計算問題を3問解説します。

例題1

$3$ 万円を年利率 $2$ %で運用したとき,$6$ 年後の金額を求めよ。

解答

$a=3,r=0.02,n=6$ として,
$3(1+0.02)^6\simeq 33785$ 円

複利計算の例2:年利率の計算

複利計算の公式 $b=a(1+r)^n$ を使って年利率 $r$ を計算してみます。

例題2

$100$ 万円を $10$ 年間運用して $150$ 万円にしたい。運用利率は年利何%にすればよいか。

解答

$100(1+r)^{10}=150$ を解けばよい。これを $r$ について解くと,
$r=\left(\dfrac{150}{100}\right)^{\frac{1}{10}}-1\simeq 0.041$
つまり,年利 $4.1$ %で運用すればよい。

複利計算の例3:年数の計算

複利計算の公式 $b=a(1+r)^n$ を使って年数 $n$ を計算してみます。

例題3

$100$ 万円を預金して $200$ 万円にするには何年かかるか。ただし,年利は $0.5$ %とする。単利法と複利法それぞれ求めよ。

解答

単利法の場合,$100(1+0.005n)=200$ を解いて $n=200$ 年
複利法の場合,$100(1+0.005)^n=200$ を解いて $n\simeq 139$ 年

単利について

複利法に対して,単利法という計算方法もあります。単利法とは元金にのみ利子がかかる方式です。

  • 初期状態:
    元金 $a$
  • 1年経過時の金額:
    「元金+この1年で増えた利子のぶん」で,$a+ar=a(1+r)$
  • 2年経過時の金額:
    「1年経過時の金額+この1年で増えた利子のぶん」で,$a(1+r)+ar=a(1+2r)$

同様に考えることで,$n$ 年後の金額は, $b=a(1+nr)$
($n$ に関する等差数列)

ちなみに単利法の計算では $b=a(1+nr)$ が成立します。複利計算の公式よりも少し単純ですね。

例題3において,複利法なら長生きすればなんとか!?なりませんね。

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