最終更新:2018/05/07

偏微分の意味と高校数学への応用

分野: 極限,微分  レベル: 最難関大学

偏微分:多変数関数を,特定の文字以外定数だとみなして微分したものを偏微分と呼ぶ。

偏微分について,高校数学の範囲で理解できるように解説します。一見難しそうな偏微分ですが,概念自体は難しくありません。

偏微分の具体例

$x$ に関する偏微分:
$x$ 以外定数だと思って微分したもの。記号では,$\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial x},\:f_x$ などと表す。

$y$ に関する偏微分:
$y$ 以外定数だと思って微分したもの。記号では,$\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial y},\:f_y$ などと表す。

具体例を見れば偏微分の意味はすぐにつかめます。

$f(x,y)=x^2+y^3+y+xy$ のとき,
$x$ に関する偏微分は,$\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial x}=2x+y$
$y$ に関する偏微分は,$\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial y}=3y^2+1+x$

例2

$f(x,y)=\sin(x+2y)+e^{x}+\log y$ のとき,
$x$ に関する偏微分は,$\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial x}=\cos (x+2y)+e^x$
$y$ に関する偏微分は,$\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial y}=2\cos(x+2y)+\dfrac{1}{y}$

このように,「偏微分」というたいそうな名前がついていますが,微分の計算自体は一変数の場合と全く同じです。

偏微分の意味

  • 一変数関数において微分とは,変数を少し動かしたときの変化の割合を表していました。同様に,偏微分とは,特定の一つの変数のみを少し動かしたときの関数 $f$ の変化の割合を表しています。
  • 偏微分が難しいのは高階微分が登場する場合や,$\varepsilon -\delta$ 論法を用いて厳密に議論する場合です。高校数学では高階の偏微分や $\varepsilon -\delta$ は覚える必要はないので敬遠する必要はありません。
    イプシロンデルタ論法とイプシロンエヌ論法
  • ちなみに,多変数関数にはもう一つ「全微分」という概念があります。これは,全ての変数を少し動かしたときの関数 $f$ の変化の割合のようなもので,偏微分よりもやや難しいです。
  • 高校数学では偏微分も全微分も登場しませんが,偏微分は知っているとよいことがあります。(後述の応用参照)

偏微分の高校数学への応用

偏微分の応用を5つ紹介します。いずれも高校数学の範囲で理解できます。

偏微分が難しくなるのは大学入ってからです。

Tag: 数検1級の範囲と必要な公式まとめ

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