2014/10/11

偏微分の意味と高校数学への応用

分野: 極限,微分  レベル: 最難関大学

偏微分:多変数関数を,特定の文字以外定数だとみなして微分したものを偏微分と呼ぶ。

高校数学では敬遠されがちな偏微分ですが,概念自体は難しく有りません。

偏微分の具体例

$x$ に関する偏微分:$x$ 以外定数だと思って微分。 $\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial x},\:f_x$ などと表す。
$y$ に関する偏微分:$y$ 以外定数だと思って微分。 $\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial y},\:f_y$ などと表す。

具体例を見れば偏微分の意味はすぐにつかめます。

$f(x,y)=x^2+y^3+y+xy$ のとき,
$x$ に関する偏微分は,$\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial x}=2x+y$
$y$ に関する偏微分は,$\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial y}=3y^2+1+x$

例2:$f(x,y)=\sin(x+2y)+e^{x}+\log y$ のとき,
$x$ に関する偏微分は,$\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial x}=\cos (x+2y)+e^x$
$y$ に関する偏微分は,$\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial y}=2\cos(x+2y)+\dfrac{1}{y}$

このように,「偏微分」というたいそうな名前がついていますが,微分の計算自体は一変数の場合と全く同じです。

偏微分の意味

  • 一変数関数において微分とは,変数を少し動かしたときの変化の割合を表していました。同様に,偏微分とは,特定の一つの変数のみを少し動かしたときの関数 $f$ の変化の割合を表しています。
  • 偏微分が難しいのは高階微分が登場する場合や,$\varepsilon -\delta$ 論法を用いて厳密に議論する場合です。高校数学では高階の偏微分や $\varepsilon -\delta$ は覚える必要はないので敬遠する必要はありません。
  • ちなみに,多変数関数にはもう一つ「全微分」という概念があります。これは,全ての変数を少し動かしたときの関数 $f$ の変化の割合のようなもので,偏微分よりもやや難しいです。
  • 高校数学では偏微分も全微分も登場しませんが,偏微分は知っているとよいことがあります。(後述の応用参照)

偏微分の高校数学への応用

偏微分の応用を5つ紹介します。

二変数の二次関数
まずは高校数学における最も簡単な応用から。

法線ベクトルの求め方と応用
入試でも役立つ偏微分。法線ベクトルの考え方はいろいろな場面で役立つのでかなりオススメです。

包絡線の求め方と例題
けっこう役立ちます。おすすめ!

isolated fudging
数学オリンピックの不等式証明問題でも偏微分が活躍します。

ラグランジュの未定乗数法と例題
ラグランジュの未定乗数法に関するごく基礎的なこと。

偏微分が難しくなるのは大学入ってからです。

Tag: 数検1級の範囲と必要な公式まとめ

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