2015/04/06

平方完成のやり方といくつかの発展形

分野: 式の計算  レベル: 基本公式

$ax^2+bx+c=a(x-p)^2+q$ と変形することを平方完成と言う。

二次方程式の解の公式の導出や,二次関数のグラフを書くときに使う重要な式変形の手法です。

前半は平方完成のやり方を基礎から説明してします。数学が得意な方は「発展形1:立方完成」からご覧ください。

平方完成の意味とやり方

二次式 $ax^2+bx+c$ が与えられたときにうまいこと $p,q$ を選んで $a(x-p)^2+q$ の形に変形することを平方完成と言います。

例題1

$x^2+2x+3$ を平方完成せよ。

解答

$x^2+2x+3=(x+1)^2+2$

※右辺から左辺への変形は展開するだけですが,今回は左辺から右辺への変形が目標です。
平方完成するには $p,q$ を決めればOKです。手順は「 $p$ を決める→ $q$ を決める」です。

1:まず一次の係数を見て $p$ を決める
2:次に定数項が一致するように $q$ を決める

例題2

$2x^2-12x+3$ を平方完成せよ。

解答

まず,右辺の一次の係数が$-12$ となるように $p$ を定める:
$2x^2-12x+3=2(x-3)^2+q$
次に,定数項を比較すると $3=18+q$ より $q=-15$
よって,答えは $2x^2-12x+3=2(x-3)^2-15$

※途中経過は解答に書く必要はありません。平方完成は慣れが重要です,暗算でできるようになりましょう!


分数が登場するパターン

例題3

$2x^2+3x+1$ を平方完成せよ。

解答

右辺の一次の係数が $3$ となるように $p$ を定めると,
$2x^2+3x+1=2(x+\frac{3}{4})^2+q$
次に定数項を比較すると $1=\frac{9}{8}+q$ より $q=-\frac{1}{8}$
よって,答えは $2x^2+3x+1=2(x+\frac{3}{4})^2-\frac{1}{8}$


$a$ がマイナスのパターン

例題4

$-3x^2+5x$ を平方完成せよ。

解答

方針は全く同じ。まず $p$ を決める:
$-3x^2+5x=-3(x-\frac{5}{6})^2+q$
(一次の係数は $5=-3(-2\cdot\frac{5}{6})$ となり一致している!)
次に $0=-\frac{25}{12}+q$ より $q=\frac{25}{12}$
$-3x^2+5x=-3(x-\frac{5}{6})^2+\frac{25}{12}$

発展形1:立方完成(立体完成)

平方完成と同様な考え方で三次式の二次の項を消すことを立方完成(または立体完成)と言います。
$ax^3+bx^2+cx+d=a(x-p)^3+qx+r$ と変形します。

例題5

$x^3+3x^2$ を立方完成せよ。

解答

まず二次の係数を見て $p$ を決める。
$x^3+3x^2=(x+1)^3+qx+r$
次に一次の項と定数項を調節すると $q=-3,r=-1$ を得る:
$x^3+3x^2=(x+1)^3-3x-1$

ー応用例ー
・立方完成は三次方程式の解法に用いられます。→カルダノの公式と例題

発展形2:四次式を平方完成する

$a > 0$ なる四次式を以下のように変形する操作も用いられます。
$ax^4+bx^3+cx^2+dx+e\\
=(\sqrt{a}x^2+px+q)^2+rx+s$

例題6

$x^4-2x^3+1$ を上の形に変形せよ。

解答

$(x^2+px+q)^2+rx+s$ と変形できるとする。
まず,三次の項を比較して $2p=-2$ より $p=-1$
さらに二次の項を比較して $p^2+2q=0$ より $q=-\frac{1}{2}$
あとは $r,s$ も調節すると,
$x^4-2x^3+1=(x^2-x-\frac{1}{2})^2-x+\frac{3}{4}$ を得る。

ー応用例ー
・四次関数の二重接線を求めるときに使います。→四次関数の二重接線を素早く求める方法

・整数問題でもときどき登場します。→整数問題のテクニック:平方数でないことの証明の例2(この例は $n^3$ の項がないのであまり面白くない)

ところで,なんで平方完成って言うのでしょうか,平方変形とかでいいような気もします。

Tag: 数学1の教科書に載っている公式の解説一覧

分野: 式の計算  レベル: 基本公式