2014/05/12

減衰曲線の重要な性質まとめ

分野: 指数・対数関数  レベル: 最難関大学

$y=e^{-ax}\sin bx,y=e^{-ax}\cos bx (a,b > 0)$ は減衰曲線と呼ばれる重要な関数。


減衰曲線は応用上重要な関数(二階線形微分方程式の解)である上に微分、積分計算も適度な難易度なので大学入試で超頻出です。

ということで,このページでは減衰曲線について知っておくべき4つのトピックを扱います。
以下では $\sin$ の場合について説明しますが,$\cos$ の場合もほぼ同様に扱えます。

減衰曲線の極限とグラフ

1:減衰曲線の極限は0
2:減衰曲線のグラフの概形は微分せずに書けるように

まずは1:極限の基本的な問題です。

1の証明

$-1\leq \sin bx\leq 1$ とはさみ打ちの原理より,
$\displaystyle\lim_{x\to\infty}-e^{-ax} <\lim_{x\to\infty}e^{-ax}\sin bx <\lim_{x\to\infty}e^{-ax}$
であり左辺と右辺は $0$ に収束することから $\displaystyle\lim_{x\to\infty}e^{-ax}\sin bx=0$

次に,2:グラフの概形の話です。

減衰曲線のグラフ

sinx/xについて覚えておくべき2つのことでも述べたように,一般的に $y=f(x)\sin x$ のグラフは $y=f(x)$ と $y=-f(x)$ のグラフを用いて簡単に書くことができます。

図において黒丸は $y=\pm e^{-ax}$ との交点で,$x$ 軸方向に等間隔に並んでいます。微分すれば分かるのですが,黒丸は極大・極小点とは異なる(微妙にずれている)ので注意してください。
極大・極小の値は微分を用いないと求めることができませんが,減衰曲線のグラフの概形は一瞬でイメージできるようになっておきましょう。

減衰曲線の積分

3:減衰曲線の不定積分は部分積分を2回
4:減衰曲線による面積は等比数列

3:続いて積分の話です。
「減衰曲線の不定積分は部分積分を2回繰り返せば求めることができる」ということを覚えておくことが重要です。発展的ですが,複素指数関数を用いて積分を行うこともできます。→三角関数と指数関数の積の積分

4:最後に面積の話です。4つの中で一番知名度が低いトピックですが,入試では頻出です。
$S_n=\displaystyle\int_{\frac{\pi}{b}(n-1)}^{\frac{\pi}{b}n}e^{-ax}\sin bxdx$ とおくと,$S_n$ は公比が$-e^{-\frac{a\pi}{b}}$ の等比数列になります。

減衰曲線と面積

証明

$y=x-\dfrac{\pi}{b}$ と置換します。
$S_{n+1}=\displaystyle\int_{\frac{\pi}{b}n}^{\frac{\pi}{b}(n+1)}e^{-ax}\sin bxdx\\
=\displaystyle\int_{\frac{\pi}{b}(n-1)}^{\frac{\pi}{b}n}e^{-a(y+\frac{\pi}{b})}\sin b(y+\dfrac{\pi}{b})dy\\
=-e^{-\frac{a\pi}{b}}S_n$

式だけ見るとゴツくていまいちピンと来ませんが,図を見ればしっくりくると思います。
なお,$S_n$ の各項が正になるように減衰曲線の下半分を折り返した曲線 $y=|e^{-ax}\sin bx|$ を考える場合も多いです。

物理では運動方程式の解として減衰曲線が出てきます

Tag: 大学入試で頻出の有名な関数まとめ

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