2015/04/01

フェルマーの最終定理

分野: 整数問題  レベル: マニアック

フェルマーの最終定理:
$n$ を3以上の整数とするとき,$x^n+y^n=z^n$ を満たす正の整数 $x,y,z$ の組は存在しない。

言わずと知れた大定理です。

フェルマーの最終定理の魅力

  • 定理の主張はちょっと説明すれば小学生にも理解できるレベルで非常に美しいです。なのに証明はめちゃめちゃ難しい,というのが面白いです(他の多くの難問はほとんどの人が問題文すら全く理解できないためあまり有名にはならない)。
  • フェルマーが17世紀に問題提起してからワイルズが解決するまでに約360年かかりました。解決までにかかった時間という意味では(おそらく)「解決された数学の問題の中で最も難しい問題」と言うこともできます。

n=2,n=3,n=4の場合

・ $n=2$ の場合,これはフェルマーの最終定理の主張ではありませんが,整数解は存在します。

$n=2$:
$x^2+y^2=z^2$ を満たす整数 $x,y,z$ の組は無数に存在する。

例えば $x=3,y=4,z=5$ という解は有名ですね。この方程式の整数解をピタゴラス数と言います。→ピタゴラス数の求め方とその証明


・ $n=3$ の場合,二次体の整数論を用いて証明する方法が有名です。

$n=3$:
$x^3+y^3=z^3$ を満たす正の整数 $x,y,z$ の組は存在しない。

証明の前提知識や詳細は初等整数論講義という本に載っています。前提知識のない普通の高校生でも頑張って勉強すれば1ヶ月くらいで理解できるレベルだと思います。二次体を用いない証明方法もあるようです。


・ $n=4$ の場合,無限降下法で証明する方法が有名です。

$n=4$:
$x^4+y^4=z^4$ を満たす正の整数 $x,y,z$ の組は存在しない。

無限降下法の整数問題への応用例で解説しています。 $n=3$ の場合の証明よりもはるかに簡単です。

その他

  • 個別の $n$ に対する証明としては,ソフィージェルマンによる $n=5$ の場合の証明,ラメによる $n=7$ の場合の証明が有名です(どちらも非常に難しいです)。
  • フェルマーの最終定理,難しい数論に興味がある方は「保型形式,楕円曲線,谷山・志村予想」あたりのキーワードで調べてみるとよいと思います。
フェルマーの最終定理を高校数学で証明することができましたが,それを書くには余白がたりません。
分野: 整数問題  レベル: マニアック