2014/02/14

因数分解公式(n乗の差、和)

分野: 式の計算  レベル: 最難関大学

$n$ 乗の差の因数分解公式
$a^n-b^n=(a-b)(a^{n-1}+a^{n-2}b+\cdots+ab^{n-2}+b^{n-1})$

特に $n=2, 3$ の場合の公式はお馴染みでしょう。 $n=2:a^2-b^2=(a-b)(a+b)\\n=3:a^3-b^3=(a-b)(a^2+ab+b^2)\\n=4:a^4-b^4=(a-b)(a^3+a^2b+ab^2+b^3)$

また,$n$ が奇数の場合には,$b$ を$-b$ と置き換えることによって $n$ 乗の和の公式も作ることができます:

$a^n+b^n=(a+b)(a^{n-1}-a^{n-2}b+\cdots-ab^{n-2}+b^{n-1})$

特に $n=3$ の場合の公式はお馴染みでしょう。 $n=3:a^3+b^3=(a+b)(a^2-ab+b^2)\\n=5:a^5+b^5=(a+b)(a^4-a^3b+a^2b^2-ab^3+b^4)$

公式の成り立ち、背景

・単純に右辺を展開したら左辺と一致することが確認できます。因数分解公式を証明するならこれだけで十分ですがもう少し考察してみます。


・等比数列の公式からも確認できます。
右辺の2つ目のカッコの中身
$a^{n-1}+a^{n-2}b+\cdots+ab^{n-2}+b^{n-1}$
は初項 $a^{n-1}$,公比 $\frac{b}{a}$ 項数 $n$ の等比数列であるので,等比数列の和の公式から
$a^{n-1}+a^{n-2}b+\cdots+ab^{n-2}+b^{n-1}\\
=\dfrac{a^{n-1}(1-(\tfrac{b}{a})^n)}{1-\tfrac{b}{a}}\\
=\dfrac{a^n-b^n}{a-b}$


・因数定理からも確認できます。
公式の左辺を $a$ の多項式とみる:$P(a)=a^n-b^n$
$P(b)=0$ より,$P(a)$ は$(b-a)$ を因数として持つ。
そこで,$(b-a)$ で割り算を行うと上の公式を得る。

応用例

難関大学や数学オリンピックで出題される整数問題の解法にこの公式は頻繁に用いられます。
例えば,
$a^n-1$ が$(a-1)$ の倍数であることが瞬時に分かります。
$13^n-8^n$ が $5$ の倍数であることが瞬時に分かります。
フェルマー数の漸化式が導出できます。→フェルマー数とその性質


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分野: 式の計算  レベル: 最難関大学