2014/03/17

重要な乗法公式一覧

分野: 式の計算  レベル: 基本公式

教科書に載っているものから応用的なものまで,重要な乗法公式を一覧にしてみました。この19個の乗法公式を知っていれば式の展開への抵抗は無くなるでしょう。あなたはどのレベルまで知っていますか?

式を展開する公式のことを展開公式または乗法公式と言います。高校数学の最初のテーマですね。

レベル1:中学校で習う乗法公式

$1:(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab\\
2:(a+b)(a-b)=a^2-b^2\\
3:(a+b)^2=a^2+2ab+b^2\\
4:(a-b)^2=a^2-2ab+b^2\\
5:(ax+b)(cx+d)=acx^2+(ad+bc)x+bd$

このサイトを見てくれているみなさんには失礼なくらい易しい公式です。前座ですね。
$1$ と $5$,$3$ と $4$ は本質的に同じですが,両方覚えておいて機械的に計算できる方が若干早い気がします。

レベル2:高校で習う乗法公式

$6:(a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3\\
7:(a-b)^3=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3\\
8:(a+b)(a^2-ab+b^2)=a^3+b^3\\
9:(a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3\\
10:(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca$

これも教科書に載っているのでみなさん知っているでしょう。まあ実際は乗法公式なんて知らなくても気合いで1つずつ展開すれば済む話なんです。でも,覚えていたほうが速く解けるし,計算による脳のエネルギー消費を節約することができます。

レベル3:難関大学受験者は知っている乗法公式

$4$ 乗の展開公式

$11:(a+b)^4=a^4+4a^3b+6a^2b^2+4ab^3+b^4\\
12:(a-b)^4=a^4-4a^3b+6a^2b^2-4ab^3+b^4$

二項定理で計算すればよいのですが,$4$ 乗の展開公式までは一瞬で言えるようにしておいた方がよいでしょう。

$n$ 乗の展開公式

$13:(a+b)^n=\displaystyle\sum_{k=0}^{n}{}_nC_{k}a^kb^{n-k}\\
14:(a-b)(a^{n-1}+a^{n-2}b+\cdots+ab^{n-2}+b^{n-1})=a^n-b^n\\
15:(a+b)(a^{n-1}-a^{n-2}b+\cdots-ab^{n-2}+b^{n-1})=a^n+b^n$
($15$ は $n$ が奇数のときのみ)

$13$ はかの有名な二項定理です。実際の入試問題で $14, 15$ は因数分解公式(n乗の差,和)として用いられることが多いです。

3つの対称な変数が現れる展開公式

$16:(x+a)(x+b)(x+c)=x^3+(a+b+c)x^2+(ab+bc+ca)x+abc\\$
$17:(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)=a^3+b^3+c^3-3abc$

$16$ は意味を考えればすぐ導けますが,試験中の脳の省エネのために覚えておいてもよいでしょう。 $17$ は非常に重要な公式です。因数分解公式(3つの立方和)としてもよく出現します。

レベル4:みんな知らないけど覚えておくと便利な乗法公式

$18:(a+b)(b+c)(c+a)=a^2b+ab^2+b^2c+bc^2+c^2a+ca^2+2abc\\
19:(a+b+c)^3\\=a^3+b^3+c^3+3(a^2b+ab^2+b^2c+bc^2+c^2a+ca^2)+6abc$

$18$ は式の対称性と係数の和が8になることから瞬時に導けるので,展開公式を丸ごと覚えるのではなく,導けるようにしましょう。 $19$ も同様に式の対称性と多項定理から一瞬で導けます。

このように対称式の展開は「対称性,多項定理,係数の和」に注目して瞬時に行えるようになっておくのが理想的です。

繰り返しになりますが、乗法公式なんてなくても気合いがあればどんな式も展開できます。だから公式を万一忘れてもビビる必要はありません。しかし,式の展開などのしょうもない部分で脳のエネルギーを無駄に使うと大事なところで集中力が切れてしまうので上記の公式は覚えることをオススメします。

乗法公式なんて知らなくてもできるけど便利な道具は使ってしまおう

Tag: 数学1の教科書に載っている公式の解説一覧

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