2015/02/09

二次方程式の判別式についての知識まとめ

分野: 方程式,恒等式  レベル: 基本公式

判別式:
二次の多項式 $ax^2+bx+c$ の判別式を $D=b^2-4ac$ とする。


この記事では実数係数の二次多項式($a\neq 0$)の判別式について考えます。方程式の実数解の個数,二次関数のグラフと $x$ 軸の交点,d/4について,判別式の第二の姿など。

方程式の実数解の個数

$f(x)=0$ の解は,解の公式より $x=\dfrac{-b\pm\sqrt{D}}{2a}$ です。よって,以下の公式が成立します。

$f(x)=ax^2+bx+c$ の判別式 $D$ について,

  1. $D > 0\iff f(x)=0$ は異なる実数解を二つ持つ。
  2. $D=0\iff f(x)=0$ は実数解を一つ(重解)持つ。
  3. $D <0\iff f(x)=0$ は互いに共役な二つの複素数解を持つ。

$3x^2+6x+2=0$
という二次方程式において,判別式は $D=6^2-4\cdot 3\cdot 2=12$ より判別式は正。よって,実数解を二つ持つことが分かる。

このように判別式 $D$ の符号を見ることで方程式の解についての情報を得ることができます。

グラフと判別式

「 $f(x)=0$ の解」と「 $y=f(x)$ と $x$ 軸の交点」は対応するので,先ほどの定理は以下のように言い換えることもできます。

  1. $D > 0\iff y=f(x)$ は $x$ 軸と二点で交わる。
  2. $D=0\iff y=f(x)$ は $x$ 軸と一点で交わる(接する)。
  3. $D <0\iff y=f(x)$ は $x$ 軸と交わらない。

$y=-x^2+3x-{2}$ に対して,判別式 $D=3^2-4(-1)\cdot (-{2})=1 > 0$ である。よってこの二次関数のグラフは $x$ 軸と二点で交わる。

D/4を用いる理由

判別式を用いるほとんどの問題において重要なのは値ではなく判別式の符号のみです。

よって,以下の理由により $b$ が偶数のときは $D$ の代わりに $\dfrac{D}{4}=\left(\dfrac{b}{2}\right)^2-ac$ を用いるのがオススメです。

  • $D$ の符号を知りたいとき,$\dfrac{D}{4}$ の符号を知れば十分。
  • $b$ が偶数のとき,$D$ よりも $\dfrac{D}{4}$ の方が計算が簡単。

これはあくまでも計算を簡単にするためのテクニックに過ぎません。しかし,$b$ が大きい偶数だとけっこう役立ちます。

$15x^2+24x+10=0$
という二次方程式について,$\dfrac{D}{4}=12^2-15\cdot 10=-6$ より判別式は負。よって実数解を持たないことが分かる。

一般化に向けて

$ax^2+bx+c=0$ の解を $\alpha,\beta$ とおくことで,判別式は以下のように書くこともできます。

判別式の第二の姿:$D=a^2(\alpha-\beta)^2$

実はこっちが由緒正しい判別式の定義です。こちらの姿を使うことによって三次以上の場合にも判別式を拡張することができます。

例えば三次多項式の判別式は $a^4(\alpha-\beta)^2(\beta-\gamma)^2(\gamma-\alpha)^2$ という形をしています。三次以上の判別式を実戦で使うことはまずありませんのでここでは深入りしません。

さて,最後に二次多項式において,第二の姿がさっきの定義と一致することを確認しておきます。二次方程式における解と係数の関係を用います。

証明

$\alpha+\beta=-\dfrac{b}{a},\:\alpha\beta=\dfrac{c}{a}$ より

$a^2(\alpha-\beta)^2\\
=a^2(\alpha^2+\beta^2-2\alpha\beta)\\
=a^2\{(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta\}\\
=a^2\left\{\left(-\dfrac{b}{a}\right)^2-4\dfrac{c}{a}\right\}\\
=b^2-4ac$
となり「いつもの」判別式と一致した。

英語で判別式をdiscriminantというので $D$ という記号を用います。「頭文字D」という漫画を見かけると「あ,判別式だ」と思ってしまいます。

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