2014/05/08

大学数学への展望

分野: その他

大学ではどのような数学を学ぶのか,高校数学と関連させつつ整理しました。より抽象的で美しい世界が待っています。

大学で学ぶ数学(初級)

大学で数学を学ぶ人は,必ず最初に線形代数と微分積分学の2分野を習います。高校数学の微分積分,行列の発展版です。これ以降ほとんど全ての分野に顔を出す2本柱です。

関連する高校数学の分野→大学数学の分野
という形で書いています。

・ベクトル,行列→線形代数学
行列の発展版。一般の $n$ 次元空間が登場します。「有限」かつ「線形」という非常に扱いやすいものを対象にしているので理論がとても美しいです。

・微分積分→微分積分学(解析学)
多変数関数の微分(偏微分・全微分)や積分(重積分)へ。高校数学ではごまかしていた極限計算もイプシロンデルタ論法を用いてきちんと議論します。

大学で学ぶ数学(中級)

多くの理学系,工学系の2〜4年で以下の数学を学びます。

・微分積分,複素数→複素関数論
複素数を用いることで実数の世界だけではできなかったようなこともできます。(例:ある種の実数関数の積分計算)複素数のありがたみを実感できます。

・文字式→代数学,群論
群、環、体といった抽象的な代数構造を考えます。 $1+1=2$ が成り立たない世界なども扱います。ガロア理論を理解すれば5次方程式が解けないことが証明できます。

・集合→集合と位相,位相幾何学
図形の大きさや形状は無視して図形の穴の数などの特徴量で分類する幾何学です。有名なポアンカレ予想は位相幾何学の問題です。メビウスの帯なども登場。

・図形,微分→微分幾何学
微分を駆使して極線の長さや曲面の面積を求めます。高校数学の「図形」分野は大学ではほとんど使う機会がありません。

・確率,場合の数→確率論
確率論も厳密にやろうとするとボレル集合や測度という抽象的な概念が必要になります。マルコフ連鎖や確率課程など応用上重要な内容もあります。

大学で学ぶ数学(上級)

大学,学部,学科によりカリキュラムは大きく異なります。中級と上級の違いにあまり自信がありませんが、オプションで以下のような数学も学びます。

・三角関数,微分積分→フーリエ解析,信号処理論
微分積分はどこにでも出現しますね。あらゆる関数を三角関数の和で表します。

・整数→代数的整数論,解析的整数論
群論による議論を中心に展開していく代数的整数論と,微分積分による議論を中心に展開していく解析的整数論があります。

・関数解析
線形代数と微分積分学の融合。無限次元の線形代数です。方程式の解が存在することを証明する「不動点定理」などを扱います。

・積分→ルベーグ積分
「積分」の定義を変えて一般化することで今まで積分できなかったような奇抜な関数を積分できるようにします。

・場合の数→離散数学,グラフ理論
数学オリンピックの組み合わせ問題をより一般化したようなものを扱います。比較的取っつきやすい。

・応用数学
最適化理論,アルゴリズム,計算量理論など,直接応用に結びつく分野もあります。

数学はレベルが上がるにつれてどんどん抽象化,一般化されていきます。
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