2014/12/23

曲率・曲率半径の感覚的な意味と求め方

分野: 極限,微分  レベル: 最難関大学

曲線を局所的に円弧とみなしたときの円の半径をその点における曲率半径と言う。曲率半径の逆数を曲率といい,$\kappa$ で表す。

受験レベルとしてはややマニアックですが曲率半径を題材とした入試問題もときどき出題されます。

曲率について

曲率
  • 二階微分可能な曲線 $y=f(a)$ は$(a,f(a))$ 付近で円に近似することができます。その円を曲率円,半径を曲率半径と言います。
  • 曲率は曲線の(局所的な)曲がり具合を表します。曲率半径が大きいほどカーブはゆるく,曲率が大きいほどカーブは急です。
  • 直線の場合(曲がっていない場合)曲率は $0$,曲率半径は $\infty$ とみなせます。
  • $y=|x|$ の $x=0$ など,とがった点では円弧で近似できないので曲率は定義されません。このページでは二階微分可能な曲線を考えています。
  • 曲率がどの点でも一定な曲線は円です。曲率の変化率が一定であるような曲線はクロソイド曲線と呼ばれるものです。

曲率半径を求める公式

$y=f(x)$ の点 $A(a,f(a))$ における曲率半径は,
$R=\dfrac{(1+f'(a)^2)^{\frac{3}{2}}}{f”(a)}$
ただし,$f”(a)=0$ のときは曲率半径は $\infty$ とみなす。

この公式は覚えても覚えなくても構いませんが,公式の導出の考え方は覚えておきましょう。他にも導出方法はありますが,入試で題材にしやすい&曲率円の中心も求まる導出方法を解説します。

方針は比較的簡単で面白いですが,計算はけっこう大変です。
$A$ における曲率円の中心を「 $A$ における法線と $A$ に近い点 $B$ における法線の交点,の極限」と解釈します。

(公式の証明の概略)
1:まずは $A(a,f(a))$ における法線の方程式を求める:
$(y-f(a))f'(a)=a-x$

曲率の公式の証明

2:同様に $B(b,f(b))$ における法線の方程式も求まるので,二つの法線の交点の座標 $C(x_b,\:y_b)$ を求める(詳細は省略)

3:$b$ を $a$ に近づけていくと$(x_b,y_b)$ は「 $A$ 付近で $f(x)$ を円弧とみなしたときの円」の中心となる。
つまり,曲率円の中心は$(\displaystyle\lim_{b\to a}x_b,\:\lim_{b\to a}y_b)$
実際に極限を計算すると,
$\displaystyle\lim_{b\to a}y_b=\dfrac{1}{f”(a)}+f(a)+\dfrac{f'(a)^2}{f”(a)}$
$\displaystyle\lim_{b\to a}x_b=a-\dfrac{f'(a)}{f”(a)}-\dfrac{f'(a)^3}{f”(a)}$

4:曲率円の中心と $A$ の距離が曲率半径である。
$R^2=(\displaystyle\lim_{b\to a}x_b-a)^2+(\lim_{b\to a}y_b-f(a))^2=\dfrac{(1+f'(a)^2)^3}{f”(a)^2}$

追記(2015/5/8):3の計算結果が間違っていたので修正しました。ご指摘していただいた方ありがとうございました!

注:なお,この記事では「関数を局所的に円弧で近似したときの円」が曲率円だと定義していますが,これは感覚的な表現で数学的に厳密ではありません。厳密に書くとめんどくさいのでぼかしました。

納得出来ない人は,上記の1〜3で導出した円こそが曲率円の定義で,上記の4が曲率半径の定義だ!と理解してもOKです。

例題

曲率半径の具体的な計算例として放物線の曲率半径を求めてみます。

例題

$f(x)=x^2$ の$(a,a^2)$ における曲率半径を求めよ。

解答

$f'(a)=2a,\:f”(a)=2$ より,曲率半径は
$R=\dfrac{(1+4a^2)^{\frac{3}{2}}}{2}$
つまり曲率半径は $a^2$ が大きいほど大きくなる。放物線は原点付近が最も急カーブで,離れるに連れてカーブが緩やかになる。

線路は曲率が急激に変化しないようになっているらしいです。
分野: 極限,微分  レベル: 最難関大学