2014/07/16

関数の連続性と一様連続性

分野: 解析  レベル: 大学数学

$\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=f(a)$
が成立するとき,関数 $f(x)$ が $x=a$ で連続という。
また,定義域(考えている区間内)の任意の点 $a$ で関数 $f$ が連続のとき,$f$ を連続関数と呼ぶ。


まずは関数の連続性と一様連続性についての大雑把なイメージを解説して,その後で $\epsilon – \delta$ を用いた厳密な定義を与えます。

関数の連続性のイメージ

いきなり厳密な定義を書くとひるんでしますので,まずはイメージから。

関数が連続であるとは,直感的には「関数がつながっている,ちぎれていない」という意味です。

  • $y=x, y=\sin x, y=x^2$ は連続関数です。
  • $y=|x|$ は原点で折れ曲がっているので微分不可能ですが,連続関数です。
  • $y=\dfrac{1}{x} (x > 0)$ は連続関数です。
  • $y=\tan x (-\dfrac{\pi}{2} <x <\dfrac{\pi}{2})$ も連続関数です。

なお,いたるところで不連続というヤバい関数もあります。→ディリクレ関数の定義と有名な3つの性質

ここまで理解できれば高校範囲では十分です。以下は大学内容です。

関数の一様連続性のイメージ

連続関数はつながっている関数なので扱い易い嬉しい関数です。
しかし,「一様連続関数」と呼ばれるもっと嬉しい関数のクラスがあります。

関数が一様連続であるとは,直感的には「関数がつながっていて,しかもとある局所的な部分で急激に変化しすぎることはない」(穏やかな連続関数)という意味です。

定義から分かるように,一様連続関数は連続関数ですが連続関数が一様連続関数とは限りません。

  • $y=x, y=\sin x$ は一様連続関数です。
  • $y=|x|$ は原点で折れ曲がっているので微分不可能ですが,一様連続関数です。
  • $y=x^2$ は $x$ が十分大きい時に猛烈に変化する(接線の傾き→ $\infty$)ので一様連続関数ではありません。
  • $y=\dfrac{1}{x} (x > 0)$ は $x=0$ の近くで猛烈に変化するので一様連続関数ではありません。
  • $y=\tan x (-\dfrac{\pi}{2} <x <\dfrac{\pi}{2})$ は端っこで猛烈に変化するので一様連続関数ではありません。

連続関数では一般に成り立たないが,一様連続関数だと成り立つような嬉しい定理がいくつもあるので,一様連続という概念が重要になるのです。

連続と一様連続の厳密な定義

連続関数の厳密な定義は冒頭の定義を $\epsilon -\delta$ を使って書けばよいだけです。($\epsilon -\delta$ を用いた極限の定義ははさみうちの原理の証明を参照してください。)
一様連続の方が少し難しいです。

連続性の定義:
考えている区間内の任意の実数 $a$ と,任意の正の実数 $\epsilon$ に対して,ある $\delta$ が存在して「 $|x-a| <\delta$ なら $|f(x)-f(a)| <\epsilon$ 」が成立する。

一様連続性の定義:
任意の正の実数 $\epsilon$ に対して,ある $\delta$ が存在して,
「考えている区間内の任意の実数 $a$ に対して,$|x-a| <\delta$ なら $|f(x)-f(a)| <\epsilon$ 」が成立する。

非常に似ているので混乱しやすいです,じっくり考えてみてください。

「連続」の場合には場所 $a$ に応じて適切な $\delta$ を持ってくればよいのですが,
「一様連続」の場合には場所 $a$ によらない共通の $\delta$ を持ってこないといけないので一様連続の方が強い定義になっているわけです。

$\epsilon -\delta$ を用いた定義に従って例で紹介した関数たちが連続,あるいは一様連続であることを証明するのがよい練習問題になります。

「連続」は局所的な概念,「一様連続」は大域的な概念です。
分野: 解析  レベル: 大学数学