2015/05/04

必要条件,十分条件の覚え方といろいろな例題

分野: 集合,命題,論証  レベル: 基本公式

定義:$A$ ならば $B$ が成立するとき。
$B$ は $A$(であるため)の必要条件,$A$ は $B$(であるため)の十分条件
という。

覚え方

定義を丸々覚えればよいだけなのですが,どちらが必要条件でどちらが十分条件かこんがらがりやすいので,いくつかの覚え方が提唱されています。

1.言葉による覚え方(意味を考える)
「 $A$ ならば $B$ 」→「 $A$ が成り立つには $B$ が必要
「 $A$ ならば $B$ 」→「 $B$ が成り立つためには $A$ が成り立てば十分

2.矢印による覚え方
「矢印の先が必要条件」

必要条件,十分条件

3.ベン図(包含関係)による覚え方
「大きいほうが必要条件」

自分がしっくり来る,覚えやすいものを使ってください!

「 $x=2$ 」ならば「 $x$ は偶数」である。よって

  • 「 $x$ は偶数」は「 $x=2$ 」の必要条件である。
  • 「 $x=2$ 」は「 $x$ は偶数」の十分条件である。

必要条件と十分条件の問題について

・必要条件(necessary condition)でもあり十分条件(sufficient condition)でもあるとき,必要十分条件と言います(英語では if and only ifと言い,iffと書くこともあります)。

・命題 $A$ が命題 $B$ の必要条件か十分条件かを判定させる問題を解くには,
「 $A$ ならば $B$ 」および「 $B$ ならば $A$ 」がそれぞれ成立するのかしないのかを判定する必要があります。

・「 $A$ ならば $B$ 」が成立するか判定するには以下のいずれかをやる必要があります。
1.「 $A$ ならば $B$ 」が成立することを証明(簡単な説明)する
2. $A$ なのに $B$ でない例(反例)を挙げる

問題

以上を踏まえて,必要条件,十分条件に関するいろいろな例題をやってみます。

以下のそれぞれに対して $P$ は $Q$ のどのような条件になっているか判定する問題を考えます。

例題1

$P:x=3$,$Q:x$ は奇数

必要条件と十分条件の例題
  • $x=3$ ならば $x$ は奇数である
  • $x$ が奇数だからといって,$x=3$ とは限らない。(反例:$x=5$)

よって,$P$ は $Q$ の十分条件だが,必要条件ではない。


例題2

$P:x^2-4x=0$,$Q:x^2+x=0$

$x^2-4x=0\iff x=0$ または $x=4$,
$x^2+x=0\iff x=0$ または $x=-1$ なので,

  • 「 $P$ ならば $Q$ 」は成立しない(反例:$x=4$)
  • 「 $Q$ ならば $P$ 」も成立しない(反例:$x=-1$)

よって,$P$ は $Q$ の必要条件でも十分条件でもない。


例題3

三角形 $ABC$ の各辺 $BC,CA,AB$ 上に点 $D,E,F$ があるもとで,
$P:AD,BE,CF$ が一点で交わる
$Q:\dfrac{AF}{FB}\dfrac{BD}{DC}\dfrac{CE}{EA}=1$

  • 「 $P$ ならば $Q$ 」は成立(チェバの定理
  • 「 $Q$ ならば $P$ 」も成立(チェバの定理の逆)

よって,$P$ は $Q$ の必要十分条件である。


例題4

$P$:関数 $f(x)$ が $x=a$ で連続
$Q$:関数 $f(x)$ が $x=a$ で微分可能

  • 「 $P$ ならば $Q$ 」は成立しない(反例:$f(x)=|x|,a=0$)
  • 「 $Q$ ならば $P$ 」は成立する(有名で重要な事実)

よって,$P$ は $Q$ の必要条件だが,十分条件ではない。

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